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リンカーン弁護士（THE LINCOLN LAWYER）
（2011年 アメリカ）（上映時間1時間59分）
監督：ブラッド・ファーマン
出演：マシュー・マコノヒー、マリサ・トメイ、ライアン・フィリップ、ジョ
シュ・ルーカス、ジョン・レグイザモ、マイケル・ペーニャ、フランシス・フ
ィッシャー、ボブ・ガントン、ブライアン・クランストン、ウィリアム・Ｈ・
メイシー
＊丸の内ピカデリーほかにて全国公開
ホームページ http://tll-eiga.com/
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＜ストーリー＞
愛車リンカーンの後部座席を事務所代わりにＬＡを忙しく駆け回り、あの手こ
の手で依頼人の利益を守るやり手弁護士ミック・ハラー（マシュー・マコノ
ヒー）。ある時、暴行容疑で告発された資産家の御曹司の弁護を依頼される。
無実を主張する彼の身辺調査を進めるうちに、ミックは過去に担当した事件に
行き当たるのだが……。
＜レビュー＞
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アクの強い弁護士による見応え十分の法廷劇
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リンカーン大統領の末裔の弁護士の話かと思ったら、そうではありませんでし
た。愛車リンカーンの後部座席を事務所代わりに動き回る弁護士のお話。人気
ミステリー作家マイクル・コナリーの同名ベストセラーの映画化だそうです。
主人公の弁護士ミック・ハラーの個性が強烈です。刑事弁護士ですが、行動の
カギはお金。麻薬の売人だの、娼婦だの、とにかく金になりそうな仕事は何で
も引き受けます。得意技は、司法取引を利用して依頼人を軽い刑で収めること。
そんな彼のキャラを端的に描いた導入部。それに続く物語の発端は、ミックが
大金持ちのボンボンの弁護を引き受けたこと。娼婦に暴行した罪で起訴された
彼は無罪を主張。しかし、何かが引っかかるミックは、調査員のフランクとと
もに依頼人の身辺を洗います。
そのうちにどうやらそのボンボンが、数年前にミックが担当した事件に関わっ
ていることが明らかになります。それは無罪を主張する依頼人の言葉をミック
が信用せず、結局、彼を刑務所に送ってしまったという一件。それがミックの
トラウマになり、彼をある行動に向かわせます。
ユニークなのが、大金持ちのボンボンが犯人であることが早いうちにわかって
しまうこと。しかし、これが後半の法廷劇を破格の面白さにしています。弁護
士と依頼人という関係から、そのボンボンの利益を守らねばならないミック。
法廷では表向き、それに従って行動します。
しかし、同時にミックは過去の事件の真実を明らかにしようとして、そのため
に何かを画策しています。はたしてミックは何を画策しているのか。それをめ
ぐって、スリリングで緊張感にあふれた法廷ドラマが展開されます。
原作ものにありがちな説明不足やせわしなさもなく、テンポの良い脚本＆演出
も魅力。ミックと元妻の検事や娘との微妙な関係なども、適度にドラマに盛り
込まれ、事件の顛末に厚みを増しています。
いったんミックが思いを遂げたと思わせて、その後にまたひと波乱起こすあた
りの展開も見応えあり。意外などんでん返しも用意されています。ラストでは
ミックの弁護料に関するやり取りを見せて、思わずニヤリとさせてジ・エンド。
法律もののサスペンスとしては出色の出来。法廷劇の面白さ＋アクの強い主人
公の活躍ぶりが見応え十分。そういえばミック役のマシュー・マコノヒーは、
同じく法律ものの『評決のとき』の主役でしたっけ。その元妻役のマリサ・ト
メイ、調査員役のウィリアム・Ｈ・メイシーなどのシブいキャストにも大満足。
≪ぽちの満足度≫
★★★★☆
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2012年7月16日（日）丸の内ピカデリーにて。午後3時50分の回
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