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マイウェイ 12,000キロの真実（MY WAY）
（2011年 韓国）（上映時間2時間25分）
監督：カン・ジェギュ
出演：チャン・ドンゴン、オダギリジョー、ファン・ビンビン、キム・イング
ォン、キム・ヒウォン、オ・テギョン、キム・シフ、チョン・ホジン、夏八木
勲、鶴見辰吾、山本太郎、佐野史郎、浜田学
＊丸の内TOEIほかにて全国公開
ホームページ http://myway-movie.com/
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＜ストーリー＞
1928年、日本占領時代の朝鮮。京城に移住してきた日本人の少年・長谷川辰雄
（オダギリジョー）は、使用人の息子キム・ジュンシク（チャン・ドンゴン）
と出会い、ともにマラソンでオリンピックを目指すライバルとして成長する。
やがて２人は戦地に赴き、1939年にノモンハンで再会を果たす。日本軍として
戦うジュンシクの前に現われた辰雄は、冷酷非情な軍人となっていた。まもな
く、部隊はソ連軍に捕らわれ、大陸を横断する大移動が始まる……。
＜レビュー＞
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ハリウッド映画をしのぐほどの圧倒的な戦闘シーン
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『シュリ』『ブラザーフッド』のカン・ジェギュ監督が、韓国映画史上最大級
となる製作費25億円をかけて、アジアからノルマンディーまで1万2000キロを生
き抜いた男を描いたドラマ。
聞くところによると、ここ数年、カン・ジェギュ監督は、ハリウッドに招かれ
て映画製作の準備を進めていたものの、最終的に実現できず韓国に戻ったとか。
その意趣返しかどうかは知りませんが、この映画はまさにハリウッドの戦争映
画です。
圧倒されるのは戦闘シーン。ノモンハンからノルマンディーへと様々な戦場を
渡り歩いた主人公たちの戦いが、壮大なスケールで、リアルかつ壮絶に描かれ
ます。その迫力は『プライベート・ライアン』をはじめ、ハリウッドの戦争映
画をしのくほど。これほど大量の人や物を動員した戦闘シーンは、日本映画で
は実現不可能でしょう。
日本人と朝鮮人のライバル同士の長距離ランナーが、３つの国の軍服を着て戦
うという奇想天外な設定もユニーク。しかも、これが実話をベースにした物語
だというのですから驚きです。
その過程で、日本軍に虐げられていた朝鮮人の兵士が、シベリア抑留によって
立場を逆転させて日本人をいたぶるあたりの展開も面白いところ。
しかし、全体に人間ドラマが薄味なのが物足りません。特に主人公の長谷川辰
雄とキム・ジュンシクの友情物語の底が浅いのが致命的。２人が心を通わせる
様子は、セリフを使って力技で描かれるのみ。これではイマイチ納得できませ
ん。長谷川が冷酷非常な軍人となった源泉やその変化の理由もよくわかりませ
ん。
それでも圧倒的な戦闘シーンは一見の価値アリ。まるで自分が戦場にいるよう
な感覚を味わえます。戦争映画の肝はやはり戦闘シーン。そういう意味では、
エンターティメントとして、なかなかのレベルにある映画だと思います。
主役の２人の熱演に加え、脇役もいい味を出しています。特にシベリアで態度
を一変させる朝鮮人兵士を演じた役者さん（すいません。名前がわかりませ
ん）。そして、残虐な日本軍兵士を演じた山本太郎の憎々しさも特筆もの。反
原発運動もいいけど、ちゃんと役者もやってくださいね。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2012年1月18日（水）丸の内TOEIにて。午後6時45分の回
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