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名無しの十字架
（2012年 日本）（上映時間1時間33分）
監督：久保直樹
出演：神尾佑、松尾れい子、小林聡、和田聰宏、米沢瑠美、吉田侑生、みのす
け、前田健、外波山文明、金山一彦
＊12月1日(土)より銀座シネパトスほかにて公開
ホームページ http://www.nanashi-movie.com/
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＜ストーリー＞
借金まみれの生活を送るプロレスショップの店主、三上（神尾佑）のもとに、
「虎対人間」の戦いを記録した幻の地下ビデオを見つければ3000万円で引き取
るという話が舞い込む。仲間からの情報で虎と戦ったのがキックボクサーだと
わかった三上は、伝説的なキックボクサーの新崎（小林聡）にたどりつく。彼
の行方を追い恋人の雪江（松尾れい子）を探し出すが、まもなく三上は危険な
世界に足を踏み入れる……。
＜レビュー＞
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伝説のキックボクサーをめぐるサスペンス・アクション
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キックボクシングの元チャンピオンの小林聡という人が、郷一郎の小説の映画
化を企画し、自ら伝説のキックボクサー役で出演した作品。と聞けば、自分を
スーパーヒーローとして描いた映画かと思いますが、そうではありません。
原作では伝説のキックボクサーが主人公のようですが、映画の主人公は借金ま
みれのプロレスショップのオーナーの三上。「虎対人間」の戦いの地下ビデオ
を見つけたら3000万円払うという話に乗って、いろいろと調べるうちに行きつ
いたのが伝説のキックボクサー。彼の行方を追う中で、元恋人という女を見つ
け、さらに本人を発見するものの……というサスペンス・アクションです。
前半のドラマはさしずめ松田優作の探偵ドラマの雰囲気。横浜を舞台にして、
やさぐれた三上が、何やら怪しげな人々に聞き込みを敢行し、幻のビデオの行
方に迫ります。
中盤以降は、三上の身辺に危機が迫ります。幻のビデオをめぐって、謎の悪党
どもが三上の知人カップルを殺害。さらに、ようやく発見した伝説のキックボ
クサーと彼の恋人にも命の危険が……。
そしてクライマックスは、昔のギャング映画の雰囲気。そこで展開されるのは
壮絶なバトル。もちろんそれを演じるのは三上ではなく、伝説のキックボク
サーの新崎。というわけで、それを演じるのが本物の元チャンピオン・小林聡
だけに、さすがの迫力です。
ただし、どうせ探偵ドラマ風にするなら、もっと徹底的にハードボイルドな感
じを出してもよかった気もしますが。
ついでに、悪党どものボスが人を殺してでもビデオの行方を追う理由が、最後
まで理解できませんでした。ただのサイコパス？
それでも、それなりの映画には仕上がっています。本筋と関係のないところで、
コミカルなシーンやエッチなシーンが登場したり、元「AKB48」の米沢瑠美の出
し方なども含めて、エンターティメントとしてちゃんと成立しています。
監督の趣味なのか、マニアックなプロレスネタが満載なのも面白いところ（往
年の名レスラーの名前とか）。
≪ぽちの満足度≫
★★☆☆☆（＋1／2★）
（75点）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2012年11月28日（水） マスコミ試写（ＴＣＣ試写室）にて
[「な」のページ] |
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