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ワン・デイ ２３年のラブストーリー（ONE DAY
（2011年 アメリカ）（上映時間1時間47分）
監督：ロネ・シェルフィグ
出演：アン・ハサウェイ、ジム・スタージェス、パトリシア・クラークソン、
ケン・ストット、ロモーラ・ガライ、レイフ・スポール、トム・マイソン、ジ
ョディ・ウィッテカー、アマンダ・フェアバンク＝ハインズ、ジョージア・キ
ング、トビー・レグボ
＊TOHOシネマズ有楽座ほかにて全国公開
ホームページ http://oneday.asmik-ace.co.jp/
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＜ストーリー＞
1988年7月15日。大学の卒業式で初めて言葉を交わしたエマ（アン・ハサウェ
イ）とデクスター（ジム・スタージェス）は、たちまち意気投合して一夜を共
にするものの、一線を越えずに、友達の関係でいることを選択する。その後、
作家を夢見ながらも、なかなか思うようにいかないエマ。一方、デクスターは
テレビの人気司会者となり、様々な女性と恋愛遍歴を重ねる。そんな中でも、
親友として互いに支えあう２人だったが……。
＜レビュー＞
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ベタな恋愛ドラマに観客を引き込むユニークな構成と演出
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フィクションはしょせん絵空事。そこにいかにしてリアリティを持たせるかが
大切。この映画はそのお手本のような映画です。
ドラマの発端は1988年。真面目な優等生エマと遊び人のデクスターが、大学の
卒業式で初めて言葉を交わし、そのまま一夜を共にするものの男女の関係には
ならず、友達でいることを選択。そこから23年間に渡る２人の微妙な関係が描
かれます。
ストレートに描いたなら、よくある恋愛ドラマになりそうなこの映画。しかし、
２人が過ごした23年間を、卒業式と同じ7月15日に焦点を絞って描く手法がユ
ニーク。おかげで、この手の恋愛話が苦手な私も、少しも飽きずに観られまし
た。
服まで脱ぎながら一線を越えない冒頭の２人の行動や、２人でバカンスに行き
ながら何もしないところなど、「そんなのあり？」と思わせる展開もあります
が、１年のうちたった１日だけ見せることで、ウソくささが消えて、素直にド
ラマに入り込めました。
２人の23年の歩みが手際よく描かれています。テレビ司会者として成功して、
いろんな女性と浮名を流すデクスター。一方、作家志望ながら思いがかなわず、
バイト生活を送るエマ。それぞれが自分の人生を生きながら、微妙な距離感を
保ちつつ支えあう２人。音楽やファッションなども、その時代を象徴するアイ
テムとして効果的に使われています。
やがて人気をなくしていくデクスター。それと対照的に作家として成功し始め
るエマ。彼女にも恋人ができます。
そんなこんなで、やがてお互いが離れがたい存在であることを、あらためて実
感する２人。ハッピーエンドを予感させるものの……。
というわけで、２人の関係の結末は予想外で、かなりショッキングなものです。
それまで同じリズムが続いていただけに、唐突に感じる人もいるでしょう。賛
否両論ありそうな展開です。
とはいえ、２人の思い出と現在の出来事を巧みに織り交ぜて、哀感タップリに
ラストにつなげていくあたりは見事な構成。観終わって余韻の残る映画に仕上
げています。監督は、アカデミー賞３部門ノミネートの『17歳の肖像』や、
『幸せになるためのイタリア語講座』のロネ・シェルフィグ監督。
ヨーロッパが舞台ということもあって、アメリカ映画でありながら、ヨーロッ
パ的な雰囲気に満ちた映画になっています。最初はダサダサだったアン・ハサ
ウェイが、次第に変身していくところも見ものです。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2012年6月26日（火）池袋HUMAXシネマズにて。午後3時40分の回
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