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おとなのけんか（CARNAGE）
（2011年 フランス・ドイツ・ポーランド）（上映時間1時間19分）
監督：ロマン・ポランスキー
出演：ジョディ・フォスター、ケイト・ウィンスレット、クリストフ・ヴァル
ツ、ジョン・Ｃ・ライリー
＊TOHOシネマズ シャンテほかにて公開。順次全国公開
ホームページ http://www.otonanokenka.jp/
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＜ストーリー＞
ニューヨーク・ブルックリン。11歳の子供同士がケンカして片方が前歯を折る
ケガをする。ケガを負わせた側のカウアン夫妻（ケイト・ウィンスレット＆ク
リストフ・ヴァルツ）がケガした側のロングストリート夫妻（ジョディ・フォ
スター＆ジョン・Ｃ・ライリー）の家に謝罪に訪れ、和解に向けた話し合いが
行われる。最初は友好的に思えた話し合いだったが……。
＜レビュー＞
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4人の大人のバトルを描いた舞台劇をポランスキー監督が映画化
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『戦場のピアニスト』『ゴーストライター』などの巨匠ロマン・ポランスキー
監督によるコメディ・ドラマ。
舞台になるのは一軒の家の中だけ。しかも、登場人物は4人のみ。彼らの会話だ
けで構成された舞台劇のようなドラマです。それもそのはずこの映画は、ヤス
ミナ・レザの大ヒット舞台劇を映画化したもの。
子供同士がケンカして、ケガをさせたほうの親夫婦が、ケガをしたほうの親夫
婦を訪ねて和解の話し合いをするというお話。
最初は友好的な雰囲気だったものの、だんだん雲行きが怪しくなっていきます。
そして始まる「おとなのけんか」。
もちろん初めは子供に関する話の行き違いだったのが、それが次第にまったく
関係のない話になっていきます。その中で、2組の夫婦が対立するだけでなく、
次々に関係性が変化していくのがこの映画の見どころ。それぞれの夫と妻が言
い争ったり、1対3の情勢になったり、さっきまで対立していた同士が仲良くな
ったり。めまぐるしい展開で飽きさせません。
ペットのハムスターの話、それぞれの夫婦の愛称の話、趣味の話、はてはアフ
リカの紛争の話まで、話はあちらこちらに飛びまくります。どれもユーモラス
で人を食った会話です。
大きな出来事は起きないものの、小さなアクシデントで展開に強弱をつけてい
るのも特徴。片方の夫（弁護士）に何度も仕事の電話がかかって会話が中断し
たり、その妻が気持ちが悪くなってゲロを吐いたり、途中からはなぜか酒が入
って2人の妻が酔っ払ったり。
普通、舞台劇を映画化する際には、できるだけ映画的な手法を駆使して、舞台
とは違う作品にしようとするもの。しかし、ポランスキー監督は、意図的にそ
ういう手法を排除しています。おそらく原作の舞台劇がバツグンに面白いので、
それをそのまま生かそうとしたのでしょう。そういう点で、ポランスキー監督
の懐の深さを感じさせる映画です。
しかも演じるのは、ジョディ・フォスター、ケイト・ウィンスレット、クリス
トフ・ヴァルツ、ジョン・Ｃ・ライリーという４人のオスカー受賞＆ノミネー
ト俳優。それぞれの持ち味が十分に発揮されています。
ただラストがちょっとあっけない感じ。そのへんで、もうひとひねりあればな
お良かったかも……。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2012年3月20日（日）TOHOシネマズ シャンテにて。午後3時40分の回
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