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ポテチ
（2012年 日本）（上映時間1時間8分）
監督・脚本：中村義洋
出演：濱田岳、木村文乃、大森南朋、石田えり、中村大樹、松岡茉優、阿部亮
平、中村義洋、桜金造
＊新宿ピカデリーほかにて全国公開
ホームページ http://potechi-movie.jp/
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＜ストーリー＞
空き巣を生業とする青年・今村忠司（濱田岳）と恋人の大西若葉（木村文乃）
は、プロ野球選手・尾崎の自宅に忍び込む。今村は尾崎と同じ年、同じ日、同
じ街で生まれ、高校時代からの大ファンだった。すると突然、若い女性の声で
尾崎に助けを求める電話がかかってくる。放っておけず、尾崎に代わって女性
を助けに向かう今村だったが…。
＜レビュー＞
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伊坂幸太郎＋中村義洋監督による仙台を元気付ける温かな映画
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人気作家・伊坂幸太郎の原作を中村義洋監督が映画化。とくれば、過去にも
『アヒルと鴨のコインロッカー』『フィッシュストーリー』『ゴールデンスラ
ンバー』などの作品がありましたが、今回は中編小説を1時間8分の短い映画に
仕上げています。基本はハートフルストーリーですが、一筋縄ではいかないと
ころがいかにも伊坂ワールド。
主人公・今村は空き巣の青年。恋人とともにプロ野球選手の自宅に忍び込んだ
ところ、留守電に女性から助けを求める電話が。そこで、尾崎に代わって女性
を助けに向かう今村だが……。
全編が軽妙なタッチで描かれ、人を食った笑いにあふれています。たとえば、
今村と恋人との出会いも、空き巣で忍び込んだ先の留守電がきっかけ。自殺志
願の彼女に対する今村の説得が笑えます。絶妙なセリフも魅力。独特のユーモ
アが漂います。
ドラマ的には、空き巣、留守電、自殺予告、ストーカーなど、様々な仕掛けを
次々に繰り出して、先の読めない展開を作り出しています。そこに、大森南朋
演じる謎の探偵、石田えり演じる今村の母親などが絡んで、話はどんどんあら
ぬ方向へ。
カギになるのは、今村のプロ野球選手尾崎に対する熱い思い。尾崎と同じ年、
同じ日、同じ街で生まれ、高校時代から熱烈なファンだったというけれど、そ
こにはある秘密が隠されています。
それが明らかになり、ドラマはいよいよクライマックスへ。野球場でのゲーム
シーンは、劇的というよりはご都合主義的。伊坂＋中村コンビによる作品とし
ては、あまりにもストレートな展開ですが、これは意図したものかもしれませ
ん。
それというのもこの映画は、仙台を舞台に地元でオールロケした作品。伊坂幸
太郎が仙台在住ということもあり、震災の被災地である仙台に対する応援の気
持ちが感じられます。
だとすれば、あのラストも納得。楽しく笑って、最後に前向きな気持ちになっ
てもらえる映画です。
まあ、もう少し時間が長ければ、主人公の母親への思いだけでなく、彼自身の
生き直しのドラマなども展開できたのでしょうが。
主演の濱田岳はいつもの飄々とした演技で適役。恋人役の木村文乃のはじけ方
もなかなかのものでした。
ついでに中村監督自身もかなり目立つ役で出演。エンドタイトルの後にも、笑
わせてくれます。そういうあたりにも、仙台を応援しようという気持ちが感じ
られました。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2012年5月14日（月）新宿ピカデリーにて。午後2時55分の回
[「ほ」のページ] |
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