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最強のふたり（INTOUCHABLES）
（2011年 フランス）（上映時間1時間53分）
監督・脚本：エリック・トレダノ、オリヴィエ・ナカシュ
出演：フランソワ・クリュゼ、オマール・シー、アンヌ・ル・ニ、オドレイ・
フルーロ、クロティルド・モレ、アルバ・ガイア・クラゲード・ベルージ、ト
マ・ソリヴェレ、シリル・マンディ、ドロテ・ブリエール・メリット
＊TOHOシネマズシャンテほかにて公開
ホームページ http://saikyo-2.gaga.ne.jp/
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＜ストーリー＞
パラグライダーの事故で首から下が麻痺してしまった大富豪のフィリップ（フ
ランソワ・クリュゼ）。彼の介護人募集の面接に、スラムに住む黒人青年のド
リス（オマール・シー）がやってくる。彼の目的は失業手当をもらうための不
採用の証明書だった。ところが、フィリップは、そんなドリスに興味を抱き、
思いつきで採用してしまう。まったく共通点のない2人はぶつかってばかりいた
が、いつしか互いを受け入れて、絆を強めていくのだった……。
＜レビュー＞
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障がい者と介護人の型破りな日々をユーモラスに描く
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実話をもとにした感動物語。この手の感動物語をストレートな「お涙頂戴映
画」として描かずに、変化球で見せるのは最近の映画の定番。しかし、この映
画はその中でもかなりユニーク。しんみりする場面はほとんどなく、全編笑い
に満ちたコメディー映画として描いて、最後には爽やかな感動まで残してくれ
るのですから。
パラグライダーの事故で首から下が麻痺した大富豪の男と、型破りすぎる介護
人の交流を描いたドラマです。
その2人のキャラが出色。事故で障がいを持った富豪フィリップは、妻も亡くし、
偏屈さ丸出しの日々を送っています。それに対して、ひょんなことから介護人
に雇われたドリスは、スラムに住む前科者で家庭も複雑。根はいいやつだけど、
かなりの乱暴者です。
そんな2人が起こす化学反応が、この映画の最大の見どころ。ドリスがフィリッ
プを夜の街に連れ出したり、フィリップがドリスに美術の指南をするなど、楽
しいエピソードが満載です。
フィリップ役のフランソワ・クリュゼ、ドリス役のオマール・シーの演技も絶
品です。まるで最初から2人のために書かれた脚本みたい。
障がいをネタにした笑いのオンパレードなのに、まったく嫌味がないのも見事。
ドリスがフィリップに向かって「俺なら自殺するね」なんて平気で言い放った
と思ったら、その後の場面でドリスが無理やりパラグライダーをやらされて焦
りまくるところなど、心憎い展開です。オープニングの車の爆走エピソードを
エンディング近くのエピソードとうまく結合させたあたりも面白い構成。
ラストは、フィリップと文通相手とのロマンスにドリスの配慮を組み込んで、2
人の強い絆を表現。エンドロールの前には、さりげなく実在の2人も紹介。
ちなみに、ハリウッドでリメイクが決まったそうですが、誰が2人の役をやるん
でしょう。よっぽどの役者じゃないと、これだけの味は出ないと思うのですが。
＜結論＞ほとんどケチのつけようがない、すべての面でよくできた映画。2011
年の第24回東京国際映画祭で東京サクラグランプリ（最優秀作品賞）と最優秀
男優賞をダブル受賞したのも納得です。
≪ぽちの満足度≫
★★★★☆
（91点）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★★☆
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2012年9月2日（月）TOHOシネマズ渋谷にて。午後2時40分の回
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