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三国志英傑伝 関羽（関雲長 THE LOST BLADESMAN）
（2011年 中国）（上映時間1時間49分）
監督・脚本：アラン・マック、フェリックス・チョン
出演：ドニー・イェン、チアン・ウェン、スン・リー、チン・シュウホウ、ア
ンディ・オン、アレックス・フォン
＊ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて公開
ホームページ http://sangokushi-kanu.com/
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＜ストーリー＞
後漢末期。曹操（チアン・ウェン）は敵対する劉備を攻めて、彼の妻子と部下
の武将・関羽（ドニー・イェン）を捕虜にする。曹操は義を重んじる関羽を信
頼し、「白馬の戦い」で劣勢だった曹操軍への手助けを頼む。すると関羽は曹
操軍を率いて勝利を呼び込む。その活躍を受けて、曹操の配下に入るように再
三誘われるものの、関羽は劉備の元へ戻ることを願う。それを聞き入れた曹操
は、関羽と劉備の許嫁である綺蘭（スン・リー）の２人を関所を通すように部
下に伝える。だが、部下たちぱ命令に反して関羽の命を狙う……。
＜レビュー＞
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「三国志」の関羽に焦点を当てた迫力のアクション映画
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「三国志」の主要な登場人物の１人で、現在は商売の神様としても祀られる関
羽を主人公に据えた映画。監督・脚本は『インファナル・アフェア』のアラ
ン・マック＆フェリックス・チョン。
従来、脇役のイメージが強い関羽だけに、「三国志」の内容を踏まえつつも、
そのキャラクターを豊かに肉付けし、さらに劉備の許嫁とのロマンスなども織
り込んで、面白く観られる工夫をしています。
物語の中心となるのは、関羽と彼が思いを寄せる劉備の許嫁による旅。関羽は
曹操の捕虜になり彼に協力するものの、その配下となることを拒否して、義兄
弟である劉備の元へ戻ろうとします。
曹操は関所の部下たちに、２人を邪魔しないで通すように命じるものの、なぜ
かそれとは正反対の命令が出され、部下たちは関羽たちを次々に襲います。そ
こで展開されるアクションがこの映画の最大の見せ場。大きな刀を手に、襲い
くる敵をバッタバッタと倒していくシーンなど、自身でアクション監督も担当
しているドニー・イェンが迫力のアクションを披露します。
ユニークなカメラワークなど映像にもキレがあります。戦いが始まると門が閉
じられ、再び門が開くと戦いが終わり敵が倒れている……といったケレン味た
っぷりのシーン。関羽の過去の記憶らしきモノクロ映像なども印象的です。
クライマックスは、異変に気づいた曹操が駆けつける中で、関羽と劉備の許嫁
との間に予想外の出来事が起きます。そして、２人に対する暗殺命令の謎が明
らかになります。
これまで悪役イメージの強かった曹操を、様々な側面を持ち、悩みや苦しみを
抱えた人物として描いているのもこの映画の特徴。曹操を演じるチアン・ウェ
ン（『紅いコーリャン』などで知られる演技派で、監督としても『鬼が来
た！』でカンヌでグランプリを受賞）の存在感が光ります。
ジョン・ウー監督の『レッドクリフ』ほどのスケールの大きさはありませんが、
迫力のアクションに加え、関羽の新たな人物像を描いた作品で、娯楽作品とし
てはまずまずの映画です。単純な正義ＶＳ悪の戦いにしなかった点も評価でき
ます。
ただし、ドラマ的には物足りないところも……。特に関羽たちに対する暗殺命
令の謎を、もう少し面白く描いて欲しかった気がします。それに、ちょっと話
を盛り込みすぎで、わかりにくいところもある感じでした。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2011年12月27日（火）京橋テアトル試写室にて
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