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戦火の馬（WAR HORSE）
（2011年 アメリカ）（上映時間2時間26分）
監督：スティーヴン・スピルバーグ
出演：ジェレミー・アーバイン、エミリー・ワトソン、デビッド・シューリス、
ピーター・ミュラン、ニエル・アレストリュプ、トム・ヒドルストン、デビッ
ド・クロス、パトリック・ケネディ、セリーヌ・バッケンズ、トビー・ケベル、
ロバート・エムズ、エディ・マーサン
＊丸の内ピカデリーほかにて全国公開
ホームページ http://disney-studio.jp/movies/warhorse/
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＜ストーリー＞
第一次大戦前夜のイギリス。農村の牧場で生まれたジョーイと名づけられた子
馬が、貧しい農夫に競り落とされ、彼の息子アルバート（ジェレミー・アーバ
イン）と心を通わせる。だが、戦争が始まると、ジョーイはイギリス軍へ売ら
れてしまう。やがて、フランスの前線へ送られたジョーイは、ドイツ軍との戦
いの場に臨むのだが……。
＜レビュー＞
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鮮やかな映像で綴る馬と人間との関わり
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スティーヴン・スピルバーグ監督が第一次大戦を舞台に、軍馬となった一頭の
馬と様々な人間との関わりを描いたドラマです。
農村の牧場で生まれたジョーイという子馬が、貧しい農夫に買われる。彼の息
子のアルバート少年は一生懸命にジョーイの世話をして、心を通わせていく。
だが、生活苦の父はジョーイを軍人に売却。まもなくジョーイは第一次大戦の
戦場に立つ……。
主人公はあくまでも馬のジョーイ。まるで人間のように豊かなキャラクターを
持ち、実に達者な演技を披露しています。そんな彼が最初の飼い主であるアル
バート少年をはじめ、イギリス軍人、ドイツの若い少年兵兄弟、祖父と暮らす
農村の娘など様々な人々と関わっていきます。
なによりも目を引くのは映像の素晴らしさ。ジョーイの誕生や疾走する場面、
農村の朝焼け、草原の輝きなどが、長い間スピルバーグ監督とコンビを組む撮
影監督のヤヌス・カミンスキーによって美しく、そして力強く描かれます。
中盤、戦場に立たされたジョーイは、何度も危険な目にあいながら戦争の中を
生き抜いていきます。そこでの壮絶な戦闘シーンも印象的。
後半は、ジョーイの最初の飼い主であるアルバート少年も戦場に立ち、様々な
苦難を経て奇跡のラストへと向かいます。
何度も危険を切り抜けるジョーイ。そしてアルバート少年。そこは当然都合よ
すぎの展開もありますが、あまり不自然さは感じさせません。そのあたりがス
ピルバーグ監督の熟練の技。心温まる感動の結末へ巧みにストーリーを運びま
す。
戦争批判もちゃんと盛り込まれています。特に傷つき翻弄される庶民や下級兵
士の姿を通して、戦争の悲惨さを描き出しています。
様々な要素がバランスよく配置され、大人も子供も誰もが感動できるようにつ
くられた映画。ジョーイと直接関わる人に、悪人がいないのも誰もが楽しめる
原因でしよう。
ただし、あまりにもキレイにまとまり過ぎて、これといった驚きもないために、
個人的にはやや物足りなさも感じてしまいました。もう少し胸にグッとくるも
のがあれば、なお良かったのですが。
14頭の馬が、CGをほとんど使わずに演じたというジョーイの演技が見事。人間
の役者も、アルバート少年の母親役のエミリー・ワトソンをはじめ、なかなか
見応えがありました。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2012年3月2日（金）池袋シネマサンシャインにて。午後2時の回
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