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幸せへのキセキ（WE BOUGHT A ZOO）
（2011年 アメリカ）（上映時間2時間４分）
監督：キャメロン・クロウ
出演：マット・デイモン、スカーレット・ヨハンソン、トーマス・ヘイデン・
チャーチ、パトリック・フュジット、エル・ファニング、ジョン・マイケル・
ヒギンズ、コリン・フォード、マギー・エリザベス・ジョーンズ、アンガス・
マクファーデン
＊TOHOシネマズ スカラ座ほかにて全国公開
ホームページ http://www.foxmovies.jp/sk/
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＜ストーリー＞
妻を亡くして半年が経ったジャーナリストのベンジャミン（マット・デイモ
ン）は、今も悲しみは癒えず、14歳の息子と7歳の娘も悲嘆に暮れていた。そこ
で心機一転を決意したベンジャミンは新しい家探しを始め、郊外で理想的な物
件を見つける。ところがその物件には、２年間閉園状態の動物園と飼育員たち
も付いていた。それでも、娘の喜ぶ姿を見たベンジャミンは、周囲の反対を押
し切り、動物園を購入するのだが……。
＜レビュー＞
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ユニークな家族再生のドラマをわざとらしくなく描く
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妻に先立たれて悲しみに沈み、２人の子供も立ち直れないでいるジャーナリス
トのベンジャミン。心機一転引っ越そうとした家は、なんと閉園した動物園と
そこの従業員付きというワケあり物件。それでも娘が喜ぶのを見て、周囲の反
対を押し切って購入し、動物園再建に奔走する……。そんなユニークな話が、
実話をベースにしているというからビックリです。
前半で描かれるのは、動物園再建を決めたものの、次々にトラブルに見舞われ
て苦しむベンジャミン一家の姿。そこでは、ベンジャミンと反抗的な息子との
確執も描かれます。
傷ついた家族の再生のドラマとくれば、いくらでもウェットな感動物語にでき
るはず。しかし、『あの頃ペニー・レインと』のキャメロン・クロウ監督は、
そんな見え透いた手は使いません。笑いがタップリの楽しいドラマをベースに
して描いています。
笑いのもととなるのは、ユニークすぎる飼育員たち。そして動物たちの突飛な
行動。ベンジャミンたちの宿敵の検査官を西部劇の悪漢のように描くあたりも、
笑いを誘います。ベンジャミンのカワイイ7歳の娘もいい味を出しています。
中盤以降も、そうしたテイストは変わりません。ただし、感動的なシーンやシ
リアスなシーンも増えてきます。ますます深まるベンジャミン父子の確執、老
いたトラの処遇をめぐる問題、そして亡き妻をどうしても忘れられないベンジ
ャミン。それらが明るく楽しいドラマの合間に登場することで、自然に心に染
み入ってきます。
父子の確執を息子の初々しい恋と絡めて描くアイデアも秀逸。父から子へ伝え
られる「20秒ルール」。それが父子の和解だけでなく、ラストシーンの父と母
の出会いにまで結びつけるなんて、さすがキャメロン・クロウ監督！
動物園開園当日の倒木のエピソードなど、誇張的なシーンも見受けられるもの
の、必要な場面のみで抑制的に描かれるので、わざとらしくありません。ベン
ジャミンが妻の写真を見ながら過去を回想するシーンや、ラストのレストラン
のシーンなど、ファンタジー的な場面も鼻につかないように巧くコントロール。
キャメロン・クロウ監督らしく、音楽の使い方もバツグンのセンスです。
主演のマット・デイモン、彼を支える飼育員リーダー役のスカーレット・ヨハ
ンソンなど、キャストはみんな良いけれど、それと同じぐらい良いのが動物た
ち。みんな表情豊かです。
ベタベタではなく、さわやかな感動が味わえるヒューマンドラマ。ホッコリと
温かな気持ちになれるはず。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（田中ひろあき（ぽち））
2012年6月10日（日）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後3時45分の回
[「し」のページ] |
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