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テイク・シェルター（TAKE SHELTER）
（2011年 アメリカ）（上映時間2時間）
監督・脚本：ジェフ・ニコルズ
出演：マイケル・シャノン、ジェシカ・チャステイン、シェー・ウィガム、ケ
イティ・ミクソン、キャシー・ベイカー、レイ・マッキノン、リサ・ゲイ・ハ
ミルトン、ロバート・ロングストリート、トーヴァ・スチュワート
＊新宿バルト9ほかにて全国公開
ホームページ http://www.take-shelter-movie.com/
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＜ストーリー＞
工事現場で働くカーティス（マイケル・シャノン）は、田舎町で妻と耳の不自
由な娘と幸せに暮らしていた。だが、ある日突然、恐ろしい悪夢にうなされる
ようになる。巨大な嵐が襲ってくるという恐怖にとりつかれた彼は、避難用の
シェルター作りに没頭。次第に常軌を逸した言動をとるようになったカーティ
スに、周囲は不信感を募らせていくが……。
＜レビュー＞
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見えない敵におびえて暴走する男を緊張感タップリに描く
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敵の襲来におびえる男を描いた心理スリラーです。ただし、その敵は目に見え
ないもの。音さえも聞こえません。周囲の人々にはまったくわからず、主人公
の頭の中だけでどんどん増殖していきます。
主人公は工事現場で働くカーティス。田舎町で妻と耳の不自由な娘と幸せに暮
らしていた彼ですが、ある日突然、悪夢を見るようになります。まもなく巨大
な嵐に襲われるという恐怖から、避難用の地下シェルターづくりに没頭するよ
うになるカーティス。そんな彼に対して周囲の人々は不信感を募らせていきま
す……。
この映画の最大の見どころは、カーティスが恐怖にとりつかれて、どんどんお
かしくなっていくところ。重く息苦しい空気感がスクリーンを支配する中で、
彼が見る悪夢の描写をはじめ緊張感に満ちたシーンが連続します。観客にも
カーティスの恐怖がリアルに伝わってくるような演出です。
カーティスの妻と耳の不自由な娘も、彼の異常さを浮き立たせます。娘の手術
費用をやりくりしなければならない中でもシェルターに没入し、多額の費用を
かけるカーティス。
長らく精神を患うカーティスの母親の存在も、彼の心理状態に深い影を落とし、
ドラマに緊張感と怪しさをもたらします。
敵は依然として姿を現さないまま、カーティスの心理的暴走は頂点に達します。
そしてついに訪れるクライマックス。ややヒネリは足りない感じがするものの、
カーティスの再生に向けたドラマとしては納得できます。
それだけに、その後のエピローグがやや蛇足にも思えたのですが……。あれで
は、クライマックスでのカーティスの行動の意味が消えてしまうのでは？
とはいえ、破格の緊張感を持った心理スリラーです。見えない敵におびえる現
代人をカーティスに投影させたと見ることもできそうです。
目に見えない敵をこれだけ説得力を持って描けるジェフ・ニコルズ監督の才能
はかなりのもの。これが長編２作目ということで今後が注目です。
そして、主人公カーティスを演じたマイケル・シャノン（『レボリューショナ
リー・ロード 燃え尽きるまで』）の焦燥感に満ちた演技、その妻役のジェシ
カ・チャステインの演技も印象に残りました。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2011年4月16日（月）シアターN渋谷にて。午後4時10分の回
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