|
THE GREY 凍える太陽（THE GREY）
（2011年 アメリカ）（上映時間1時間57分）
監督：ジョー・カーナハン
出演：リーアム・ニーソン、フランク・グリロ、ダーモット・マローニー、ダ
ラス・ロバーツ、ジョー・アンダーソン、ノンソー・アノジー、ジェームズ・
バッジ・デール、ベン・ブレイ、アン・オープンショー
＊丸の内ピカデリーほかにて全国公開
ホームページ http://www.grey-kogoeru.com/
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
＜ストーリー＞
アラスカの石油採掘現場で、野生動物から作業員たちを守る仕事をしているオ
ットウェイ（リーアム・ニーソン）。やがて休暇の時期を迎え、作業員たちは
飛行機で帰途につく。ところが激しい嵐のために、飛行機はアラスカ山中に墜
落。辛うじて生き延びたオットウェイたち７人は、極寒の地を脱出するため南
を目指して歩き始める。だが、凶暴なオオカミが彼らを襲い、ひとりまたひと
りと犠牲になっていく……。
＜レビュー＞
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
圧倒的な映像で見せる極寒の地のサバイバル劇
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
『特攻野郎Ａチーム THE MOVIE』のジョー・カーナハン監督と主演のリーア
ム・ニーソンが再びタッグを組んだサバイバル・アクション。製作にはリド
リー＆トニー・スコット両監督も名を連ねています。
石油採掘現場で、野生動物から作業員を守るハンターとして雇われているオッ
トウェイが主人公。何やらワケありの彼。奥さんらしき女性の回想が登場した
かと思えば、いきなり自殺シーンが！ 結局実行はしないものの、絶望の中で
生きていることがわかります。
そして、まもなく彼らは飛行機で休暇へ。しかし、嵐で飛行機が墜落。どうに
か生き延びたのは、オットウェイを含めわずか7人。極寒の大地に放り出された
彼らは、望み薄の救助を待つよりも、南に移動することを決意する……。
極寒の地でのサバイバルドラマなわけですが、ストーリー的にはなんのヒネリ
もありません。オットウェイがヒーローとして、バッタバッタと敵をやっつけ
るかと思えば、さにあらず。襲い来るオオカミからひたすら逃げるのみ。そし
て、仲間はひとり、またひとりと死んで行きます。
上映後に若いカップルが「大した事が起きなくてつまらない」といっていたの
もある意味うなづけます。
だが、しかし、この映画の見どころはそこじゃないのだよ！ 君たち。
凍てつく大地。そこを凍えながら歩く男たち。オオカミによる凄惨な襲撃シー
ン。それらの圧倒的な映像の力が、この映画の最大の見どころなのです。おか
げで、まるで自分も現場に連れて行かれたみたいです。寒さや痛みや孤独感、
人間の無力さなどがヒシヒシと伝わってきました（映画館の冷房のせいではあ
りませぬ）。
なんなんだ？ この重苦しさは！
それでも、最後にはきっとカタルシスが待っているはず。などと思ってはいけ
ません。どうにか生き延びたオットウェイに待っていたのは、これ以上ないほ
どの試練。それでも、ようやく運命に立ち向かう決意をしたオットウェイ。そ
して……。
心の傷を抱えたリーアム・ニーソンのいつもながらの存在感も魅力。ラストで
神に向かって叫ぶシーンは圧巻。
最初から最後まで重たくて、息苦しい映画です。なので、スッキリ感を求める
方には絶対にオススメしません。しかし、臨場感という点では出色の作品。絶
望的になるぐらいリアルな世界です。観るなら大スクリーンでどうぞ。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2012年8月19日（日）丸の内ピカデリーにて。午後3時50分の回
[「さ」のページ] [「アルファベット」のページ] |
|