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ブリングリング（THE BLING RING）
（2013年 アメリカ・フランス・イギリス・日本・ドイツ）（上映時間1時間30
分）
監督・脚本：ソフィア・コッポラ
出演：エマ・ワトソン、ケイティ・チャン、タイッサ・ファーミガ、イズラエ
ル・ブルサード、クレア・ジュリアン、ギャヴィン・ロズデイル、ジョージ
ア・ロック、レスリー・マン
＊渋谷シネクイントほかにて公開
ホームページ http://blingring.jp/
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＜ストーリー＞
セレブに憧れる少女ニッキー（エマ・ワトソン）。一方、新しい高校に転校し
てきたマーク（イズラエル・ブルサード）は、おしゃれやブランドが好きなレ
ベッカ（ケイティ・チャン）と意気投合する。ある日、パリス･ヒルトンがラス
ヴェガスでパーティをすると知ったマークとレベッカは、ネットで彼女の自宅
を調べて留守宅に侵入する。やがてレベッカの友人クロエとニッキー、その妹
のサムも加わり、５人はセレブの留守宅に次々に侵入し、高価な品々を盗み出
していく……。
＜レビュー＞
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ネット時代の悪ガキたちの軽すぎるご乱行
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少年少女がハリウッド・セレブの豪邸に忍び込んで空き巣強盗を繰り返してい
た……という実話をベースにしたドラマ。
犯行の中心になったのは５人の若者。セレブに憧れる少女ニッキーは妹のサム
と共に、学校に行かず自宅で母親から授業を受けています。一方、三流高校に
転校してきたマークはレベッカと仲良くなります。彼女はファッションに執着
しています。その３人にレベッカの友人クロエとニッキーの妹のサムが加わっ
て、犯行を重ねます。
では、何が彼らを犯行に駆り立てたのか。それがイマイチよくわかりません。
もちろん、それぞれの家庭などに問題がないわけではありませんが、それが影
響した感じでもありません。家はけっこう金持ちだったりするし。
それに対してマークは、コンプレックスだらけで友達もない少年。初めてでき
た親友のレベッカにひきずられて、犯行に加わっていきます。
というわけで、犯行を主導するのは女の子たち。それが何とも軽い軽い。遊び
感覚でパリス・ヒルトンをはじめとするセレブ宅に侵入し、まるでブランドシ
ョップで買い物をするように高価なものを盗んだり、パーティールームではし
ゃぎます。そんな様子を『ロスト・イン・トランスレーション』『マリー・ア
ントワネット』のソフィア・コッポラ監督が、お得意のポップな映像とオシャ
レな音楽でテンポよく描きます。
どうも彼女たちを見ていると、究極の勘違い女という気がしてきます。罪の意
識などもちろんないし、現実とフィクションの区別もついてないみたい。そし
て、それを後押しするのが現在のネット社会。ネット上にはセレブの情報があ
ふれ、彼女たちの今日の予定や自宅の住所まで書かれています。若者たちはそ
れを利用して犯行を重ねたわけ。
コッポラ監督は、けっして明確に自分の主張を出しているわけではありません。
しかし、こういう若者たちを生み出す社会に対して、「何か違うんじゃな
い？」と疑問を呈していることがチラチラと伺えます。そこには、彼らを面白
おかしく扱うマスコミに対する批判も込められているようです。
そんなコッポラ監督の思いが込められているのがラストシーン。マークは刑務
所に向かうバスの中で複雑な表情を浮かべます。一方、ニッキーはまるでス
ター気取りの行動をとります。この対比に大きな意味がありそうです。
確実に今の時代を映した映画です。そういう意味で観る価値はあります。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆
（87点）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2013年12月15日（日）シネ・リーブル池袋にて。午後1時20分の回
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