キャプテン・フィリップス(CAPTAIN PHILLIPS)


(2013年 アメリカ)(上映時間2時間14分)
監督:ポール・グリーングラス
出演:トム・ハンクス、バーカッド・アブディ、バーカッド・アブディラマン、
ファイサル・アメッド、マハト・M・アリ、マイケル・チャーナス、コーリ
イ・ジョンソン、マックス・マーティーニ、クリス・マルケイ、ユル・ヴァス
ケス、デヴィッド・ウォーショフスキー、キャサリン・キーナー
*丸の内ピカデリーほかにて全国公開
ホームページ http://www.captainphillips.jp/
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<ストーリー>
2009年4月。アメリカのコンテナ船マースク・アラバマ号が、ソマリア沖で4人
組の海賊に襲撃される。船長のリチャード・フィリップス(トム・ハンクス)
は、海賊が船に乗る直前に乗組員を機関室に隠れさせる。その後、フィリップ
スは単身で人質となり、海賊たちと共に救命艇に乗り込む。やがて、アメリカ
海軍特殊部隊ネイビー・シールズが出動し、救出作戦を開始するのだが……。

<レビュー>
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実話をもとにした海賊との攻防をスリリングに
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実際に起きた事件をもとにした映画。ソマリアの海賊VSアメリカの貨物船&
海軍特殊部隊ということで、単純な「アメリカ万歳」のヒーロー映画になりそ
うなネタですが、そうはなっていません。『ボーン・アルティメイタム』など
ボーン・シリーズで知られるポールル・グリーングラス監督は、善悪を越えて
両者の攻防戦の面白さに焦点を当てます。

構成としては大きな3つのヤマがあります。最初は貨物船が海賊に乗っ取られ
るまでの攻防、続いて海賊に乗っ取られた船内での攻防(船長など一部を除い
て乗組員が隠れているのがミソ)、そして最後は船長が人質となって海を進む
救命艇とアメリカ海軍との戦い。

それぞれの対決の中で、両者は体力と知力を駆使して生き残ろうとします。そ
れをリアルかつスリリングに見せるグリーングラス監督。ドキュメンタリー出
身らしく、手持ちカメラによって臨場感あふれる映像を生み出したり、極端な
アップを多用して登場人物の心の中を描き出していきます。実話なので結末は
わかっていますが、それでもハラハラしてしまいます。

冒頭で船長と奥さんの会話を通して家族愛を印象付け、それを彼の精神的な支
えとして印象付けたり、海賊たちが犯行に至る彼らなりの事情をそこはかとな
く入れ込むあたりも、そつがありませんねぇ。

そして、この映画の大きな特徴はラストです。普通のヒーローものの映画なら、
主人公の船長が犯人逮捕に貢献して、大見得を切るはず。しかし、フィリップ
ス船長は事件解決時に大声で泣きわめき、その後もショックで放心状態のまま。

ここにも、ただのヒーローものの映画にするのではなく、実際に起きたことを
できるだけありのままに観客につきつけようとする、グリーングラス監督の強
い意志が感じられます。トム・ハンクスも大熱演。

まあ、とにかく海賊とアメリカ側の対決がスリリングで、エンタメ映画として
シンプルに楽しめますね。

≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆(+1/2★)
(90点)

≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆(+1/2★)
                             (田中ひろあき)

〔鑑賞データ〕
2013年11月29日(金)丸の内ピカデリーにて。午後1時



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