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クラウド アトラス（CLOUD ATLAS）
（2012年 アメリカ）（上映時間2時間52分）
監督・脚本：ラナ・ウォシャウスキー、トム・ティクヴァ、アンディ・ウォシ
ャウスキー
出演：トム・ハンクス、ハル・ベリー、ジム・ブロードベント、ヒューゴ・ウ
ィーヴィング、ジム・スタージェス、ペ・ドゥナ、ベン・ウィショー、ジェー
ムズ・ダーシー、ジョウ・シュン、キース・デヴィッド、デヴィッド・ジャー
シー、スーザン・サランドン、ヒュー・グラント
＊丸の内ピカデリーほかにて全国公開
ホームページ http://wwws.warnerbros.co.jp/cloudatlas/
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＜ストーリー＞
1849年の南太平洋、ユーイングは妻の父から奴隷売買を託され航海に出る。193
6年のスコットランド、若き作曲家フロビシャーは、天才作曲家のもとで作曲を
始める。1973年のサンフランシスコ、女性ジャーナリストのルイサは殺し屋に
命を狙われる。2012年のイングランド、評論家を殺害した作家ホギンズの自伝
が大ヒットし、出版元の編集者が大儲けする。2144年のネオ・ソウル、遺伝子
操作によって作られた複製種の少女ソンミ451はやがて反乱を企てる。文明が崩
壊した未来の地球、ある男のもとを別の世界から来た一人の女が訪ねる……。
＜レビュー＞
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６つのエピソードで綴る壮大な叙事詩
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『マトリックス』シリーズのウォシャウスキー兄弟が、性転換するという噂を
聞いてビックリしたのですが、それはお兄さんだけだったようです。というわ
けで、ウォシャウスキー兄弟改め姉弟が、『ラン・ローラ・ラン』のトム・テ
ィクバと組んで、デビッド・ミッシェルの同名小説を映画化しました。
描かれるのは、時代も場所も様々な６つのエピソード。最初はまったく無関係
に始まるものの、次第にそれらがつながっていることがわかります。
３時間弱という長い映画。しかし、そんなに長くは感じませんでした。なぜな
ら、描かれる６つのエピソードがどれも面白いから。SF、アクション、スパ
イ・ミステリー、ファンタジー、人間ドラマ、コメディなど、みんなタッチが
違います。それらがテンポよく交互に描かれるので、飽きることがありません。
前半はやや地味めですが、中盤以降はアクションも満載。石油メジャーに狙わ
れる女性ジャーナリスト、複製人間をめぐる当局と反乱軍のバトルなど、ハデ
なアクションが飛び出します。
そして、この映画の大きな特徴が、トム・ハンクス、ハル・ベリー、ジム・ブ
ロードベント、ヒューゴ・ウィービング、ジム・スタージェス、ペ・ドゥナ、
ベン・ウィショー、スーザン・サランドン、ヒュー・グラントといった豪華な
主要キャストが、みんな複数の役を演じているところ。声などでわかるところ
もありますが、あまりの変貌ぶりに気づかない場面もあります。エンドロール
で映像つきで紹介しているので、そこで確認してください。
この映画を大きく包むテーマは、「輪廻転生」や「因果応報」。ただし、『マ
トリックス』のように難解で哲学的な世界に踏み込むことはありません。伝わ
ってくるのは、人と人とのつながりの大切さ、愛の力の大きさなど誰でも理解
しやすいメッセージ。それを通して未来への希望が感じられます。
各エピソードに、奴隷売買、同性愛、老人の受難、石油メジャーの陰謀、超管
理社会、遺伝子操作など社会的ネタを盛り込んでいるのも、わかりやすさの理
由でしょう。
まさに壮大な叙事詩のような映画です。テーマ性以前に、単純にエンターティ
メントとして観て普通に面白いと思いますヨ。
それにしても、ペ・ドゥナがハリウッド映画で主要キャストを演じているのは、
ポン・ジュノ監督の『ほえる犬は噛まない』以来のファンである私にとって感
慨深いものがありますね。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（89点）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2013年9月16日（土）丸の内ピカデリーにて。午後2時30分の回
[「く」のページ] |
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