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ドラッグ・ウォー 毒戦（毒戰／DRUG WAR）
（2012年 香港・中国）（上映時間1時間46分）
監督：ジョニー・トー
出演：スン・ホンレイ、ルイス・クー、ホァン・イー、ウォレス・チョン、ラ
ム・シュー、ラム・カートン、ミシェル・イェ、ロー・ホイパン、チョン・シ
ウファイ、バーグ・ン、パトリック・クン、ガオ・ユンシャン、ハオ・ピン
＊新宿シネマカリテほかにて公開
ホームページ http://www.alcine-terran.com/drugwar/
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＜ストーリー＞
中国、津海。覚せい剤の密造工場で爆発事故があり、香港出身の男テンミン
（ルイス・クー）が車で逃走するが、衝突事故を起こして病院に運び込まれる。
中国公安警察のジャン警部（スン・ホンレイ）は、大陸では覚醒剤密造が死刑
に相当する重罪だと告げ、テンミンに捜査に協力するよう迫る。テンミンとと
もに、商談相手に成りすまし、黒社会の大物へと迫っていくジャン警部だった
が……。
＜レビュー＞
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中国本土を舞台にサクレツするジョニー・トー監督の職人技
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香港ノワールの巨匠、ジョニー・トー監督が、中国の公安警察を舞台に、実際
に中国大陸で撮影した映画です。
覚せい剤の密造工場で爆発事故があり、逃げ出したテンミンという男がまもな
く捕まります。中国では「50グラム以上の覚醒剤製造者は即死刑」。そこで、
覚せい剤密造の黒幕に迫りたい公安警察のジャン警部は、「命が助かりたかっ
たら、捜査に協力しろ！」と迫ります。
車が暴走して店に突っ込む冒頭のシーン、それに続く道路の料金所での張り込
みシーンから、緊迫感がたっぷり。最後までまったく途切れません。たくさん
の登場人物を手際よく紹介する手腕も鮮やか。
ドラマの中心になるのは、ジャン警部とテンミン。テンミンの協力で、黒社会
の人間に扮して潜入捜査をするジャン警部。そのなりきりぶりがハンパではあ
りません。本当に覚せい剤を吸って危険な目にあったりして、息詰まる展開が
続きます。
一方、テンミンは警察に協力しているものの、心底協力しているのか、あるい
は裏切りの機会を狙っているのか先が読めません。そのあたりの疑心暗鬼の面
白さもあります。
ノワールものの定番を押さえた脚本＆演出。けっして奇抜なことをしているわ
けではありませんが、覚せい剤密造人に耳の不自由な人を配置して、手話を効
果的に使ったり、細かなところまでいろいろと工夫しています。
クライマックスは、いかにもトー監督らしいド派手な銃撃戦。乱れ飛ぶ銃弾。
死体の山。スクールバスをうまく使うなど、これまたド迫力のシーンです。
いったんは悪が生き残ると思わせて、その後に意外な結末を用意するあたりも、
さすがという感じ。最後までサービス精神が満載です（「こういうラストシー
ンを中国がよく許可したな」という気もしたりして……）。
やっぱりトー監督のノワールものは面白いですね。職人技がサクレツしていて、
理屈抜きに楽しめます。ノワール好きなら必見の映画でしょう。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（90点）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2014年1月11日（土）シネマカリテにて。午後4時30分の回
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