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フォンターナ広場 イタリアの陰謀（ROMANZO DI UNA STRAGE）
（2012年 イタリア）（上映時間2時間9分）
監督：マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ
出演：ヴァレリオ・マスタンドレア、ピエルフランチェスコ・ファビーノ、ミ
ケーラ・チェスコン、ラウラ・キアッティ、ファブリツィオ・ジフーニ
＊シネマート新宿ほかにて公開
ホームページ http://www.moviola.jp/fontana/
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＜ストーリー＞
1969年12月12日、ミラノ。フォンターナ広場にある全国農業銀行が爆破され、
死者17人、負傷者88人を出す大惨事となる。警察は左翼勢力による犯行を疑い、
アナキストたちを次々と連行する。リーダー格のピネッリも容疑者として連行
されるが、現場の指揮を任されたカラブレージ警視は無実ではないかと考えだ
す。そんな中、カラブレージが取調室から席を外した隙に、ピネッリが転落死
してしまう。警察当局は自殺と発表するのだが……。
＜レビュー＞
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謎に満ちた爆破事件の真相を追う社会派実録ドラマ
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かつてイタリアで起きた爆破事件の謎をめぐる実録ドラマです。マルコ・トゥ
リオ・ジョルダーナ監督が自ら徹底的な調査を行い、実在の人物を登場させて
真相に迫っています。
何でもこの事件は、イタリア現代史において重要な転換点になったといわれて
いるそうですが、正直日本人にはよくわかりません。はたして、途中で挫折し
ないかと危惧しながら観たのですが……。
実際は予想以上に面白い映画でした。重厚な社会派ドラマであると同時に、エ
ンタメ的な魅力も備わっています。
この事件では、右翼や左翼が入り乱れ、さらにその背後で政府までもが陰謀に
加担しています。登場人物はテンコ盛り。ですが、巧みな脚本＆演出のおかげ
で、そんなに混乱することはありません。
ドラマの中心は、事件の謎を追うカラブレージ警視が、捜査を通して真実に迫
るようす。それと同時に事件に至る経緯や、事件後の裁判劇、関係者の暗躍ぶ
りなどを過不足なく描きます。
そこで大きなターニングポイントになるのが、連行されたアナキストのリー
ダーが取り調べ中に死んでしまったこと。その瞬間、カラブレージ警視は現場
にいませんでした。しかも、彼はそのリーダーに人間性を感じ、「爆破事件と
は関係ないのでは？」と思っています。
この一件が大きな影を落とします。警視や妻、死んだリーダーの家族などの葛
藤も加わって、ドラマに厚みを与えています。
もちろん最大の魅力は事件の謎に迫る推理劇。個性派の人物が勢ぞろいで、彼
らの証言によって事実が少しずつ明らかになります。ただし、一つの事実が明
らかになっても、その裏でまた別の何かが存在するミステリアスな展開。異様
な熱気と緊迫感にあふれた映像も、謎を増幅させます。
驚愕の事実の連続の果てに、ラストにはまたしても驚愕の事実が。いやぁ〜、
コワイですねぇ。これが実際に起きたことだというのですから。まさに事実は
小説よりも奇なり。
社会派ドラマだと意識しないで、単純にサスペンスとして十分に楽しめる映画
です。事件の概要や当時のイタリアの事情などを少し予習しておくと、よけい
に楽しめるかも……。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（90点）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2013年12月23日（月）シネマート新宿にて。午後2時25分の回
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