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楽隊のうさぎ
（2013年 日本）（上映時間1時間37分）
監督：鈴木卓爾
出演：川崎航星、宮崎将、山田真歩、寺十吾、小梅、徳井優、井浦新、鈴木砂
羽、ニキ、鶴見紗綾、井手しあん、佐藤菜月、秋口響哉
＊ユーロスペースほかにて公開
ホームページ http://gakutainousagi.com/
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＜ストーリー＞
中学校に入学した克久（川崎航星）。学校にいる時間をできるだけ短くしたい
引っ込み思案の彼だったが、音楽室から聞こえるティンパニの演奏にひかれ、
吹奏楽部に入部する。それから練習漬けの日々が始まるのだが……。
＜レビュー＞
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吹奏楽部の中学生の成長をリアルにみずみずしく見せる
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中学校の吹奏楽部を舞台に新一年生の男の子の成長を描くドラマ。原作は中沢
けいの小説です。
主人公の克久は、引っ込み思案で優柔不断な男の子。入学した中学で、何とな
く気に入った吹奏楽部に入り、パーカッション担当に。それからは毎日が練習
漬けの日々。戸惑いながらも、少しずつ音楽の楽しさを知っていく……。
というわけで大したことは起きません。克久は吹奏楽部に入ったものの、コン
クールに出られずに悔しい思いをします。その後、三年生が引退すると顧問の
先生にティンパニに抜擢され、定期演奏会を目標に練習に励みます。
そんな中で、「一緒に頑張ろう！」と言ったフルートの女の子が、プロを目指
すために部をやめたり、小学校から一緒だった同級生が不登校になったりしま
す。
そんなありがちなドラマではあるものの、みずみずしさにあふれた映画になっ
ています。何といっても、中学生役の子供たちの自然な演技が目につきます。
主人公をはじめ中学生キャスト全員がオーディションで選ばれたそうです。
『私は猫ストーカー』『ゲゲゲの女房』の鈴木卓爾監督が、子供たちの気持ち
を、セリフに頼らずに、手持ちカメラを使って撮った表情のわずかな変化で見
せていきます。おかげで、まるで実際の吹奏楽部を素材にしたドキュメンタ
リーのようです。少年少女の成長が、無理なく、しかし確実に、スクリーンに
刻まれていきます。
生徒たちを指導する教師や克久の両親など周囲の人物も、けっして派手な存在
ではありませんが、ドラマをきちんと支えています。
クライマックスの定期演奏会のシーンは圧巻。吹奏楽部の部員たちの人間とし
ての成長だけでなく、彼らの奏でる音楽の成長ぶりも伝わってきます。
中学生たちの成長ぶりをリアルに、みずみずしく描いた良作ですが、そんな中
で残念なのが、タイトルにある「うさぎ」の存在。克久を音楽に導く象徴とし
て登場しますが、人間が中途半端な扮装で演じるので違和感ありまくり。むし
ろぬいぐるみやアニメを使って表現したほうがよかったんじゃないかな……。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（89点）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2013年12月18日（水）ユーロスペースにて。午後2時40分の回
[「か」のページ] |
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