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拝啓、愛しています（LATE BLOSSOM）
（2011年 韓国）（上映時間1時間58分）
監督：チュ・チャンミン
出演：イ・スンジェ、ユン・ソジョン、キム・スミ、ソン・ジェホ、ソン・ジ
ヒョ、オ・ダルス、イ・ムンシク
＊シネスイッチ銀座ほかにて公開
ホームページ http://www.alcine-terran.com/haikei/
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＜ストーリー＞
ある日の早朝、気難しい老人マンソク（イ・スンジェ）が牛乳配達の途中で、
古紙回収で生計を立てている老女ソン（ユン・ソジョン）と出会う。孤独な彼
女は読み書きができず、名前さえ持っていなかった。そんな彼女が気になり、
何かと世話を焼くようになるマンソク。２人は次第に心を通わせていく。一方、
駐車場の管理人グンボンは、認知症を患った妻の介護に追われる毎日を送って
いたが……。
＜レビュー＞
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高齢者の恋愛を生き生きとユーモラスに
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おじいさんとおばあさんのラブ・ストーリー。人気コミックスが原作で韓国で
はかなりヒットしたようですが、日本では考えられない話。老人の恋愛ってい
う企画を聞いただけで、プロデューサーがボツにしそうですもんね。
おんぼろバイクに乗って牛乳配達をしているおじいさんと、リヤカーを引いて
古紙回収をしているおばあさんが、早朝のソウルの街の片隅で偶然出会います。
この２人のラブストーリーが物語の軸。老人の恋愛など観たくないという人も
いるかもしれませんが、これが実に魅力的なのです。
まず良いのがキャラ設定。おばあさんのほうは、暗い過去を背負い、読み書き
ができなかったり、名前がなかったりとかなり悲惨な境遇。それに対して、お
じいさんはけっして裕福ではないものの、娘などもいてそれなりに穏やかな
日々。ただし、奥さんに先立たれた心の傷があります。
この２人の恋愛はまるで少年少女のような初々しいもの。口が悪く、不器用な
おじいさんは、久々のときめきにも関わらず、なかなか自分の感情を素直に表
現できません。それはおばあさんのほうも同じ。それでも少しずつ２人の距離
は近づいていきます。
その２人に絡むのが、おばあさんの知り合いの駐車場管理人。認知症の妻をか
いがいしく世話する彼は、おじいさんと友情を育むようになります。しかし、
やがて悲劇が訪れます。
この４人の老人たちの動かし方が絶妙です。全体のバランスが良い脚本と、て
いねいな演出が光ります。年齢ゆえの苦しみや厳しさを示しつつも、終始４人
を温かな視線で見つめています。
中盤以降は、かなり泣かせどころが前面に出てきます。いかにも韓国映画らし
い情感たっぷりの描き方。叙情あふれる音楽の使い方なども、いかにも……と
いう感じ。
ただし、やり過ぎ感はそんなにありません。やり過ぎ一歩手前で寸止めしてい
るし、ユーモアを全編に散りばめているのも効果的。若い人がこういうことを
したらクサそうですが、老人たちなのでむしろほほえましく感じられます。
ラストのファンタスティックなシーンも印象的で、観終わって心が温かくなる
こと間違いなし。これは、高齢者たちによる青春ラブストーリーですね。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（88点）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2013年1月17日（木）シネマート新宿にて。午後2時20分の回
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