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イノセント・ガーデン（STOKER）
（2013年 アメリカ）（上映時間1時間33分）
監督：パク・チャヌク
出演：ミア・ワシコウスカ、ニコール・キッドマン、マシュー・グード、ダー
モット・マローニー、ジャッキー・ウィーヴァー、フィリス・サマーヴィル、
オールデン・エアエンライク、ルーカス・ティル、ラルフ・ブラウン
＊TOHOシネマズ シャンテ、シネマカリテほかにて全国公開
ホームページ http://www.foxmovies.jp/innocent-garden/
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＜ストーリー＞
郊外に大邸宅を構えるストーカー家。ある日、主人のリチャードが不審な事故
で突然亡くなる。リチャードと仲のよかった娘のインディア（ミア・ワシコウ
スカ）は、心の通わない母エヴィ（ニコール・キッドマン）と２人きりになっ
てしまう。そんな中、長年外国にいたというリチャードの弟チャーリー（マシ
ュー・グード）が現れる。インディアは見知らぬ叔父を警戒する。やがてス
トーカー家の周辺で次々と人が消え始める……。
＜レビュー＞
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パク・チャヌク監督の戦慄のハリウッドデビュー作
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『復讐者に憐れみを』『オールド・ボーイ』『親切なクムジャさん』の復讐三
部作で知られる韓国のパク・チャヌク監督。そのハリウッドデビュー作です。
こういうパターンで株を下げるアジア人監督も多い中、これは大成功といえる
作品でしょう。
主人公はインディアという少女。仲のよかった父親が謎の事故死を遂げ、心が
通わない母親と２人きりになります。そんな中、長い間外国にいたという叔父
（父の弟）が突然出現し、一緒に暮らし始めます。母親はその叔父と親しくな
るものの、インディアは警戒します。そして、インディアの周囲から次々に人
が消えていきます。
冒頭から怪しい雰囲気が漂います。郊外の大邸宅。生活感のない室内。そこに
住む母エヴィと娘インディアのギクシャクした関係。娘が何かに取りつかれた
ように、ゆで卵の殻をグチャグチャにするシーンが不気味です。
母と娘の言動が奇怪なら、そこにやってきた叔父の言動も奇怪。それを独特の
色彩感覚を持った映像で、スクリーンに焼き付けていきます。小道具の使い方
も巧みで、細部までこだわりぬいた映像が続きます。
途中までのストーリーを見れば、ありがちなサイコ・サスペンス。叔父が何や
ら良からぬことをしているのは早々に知れてしまうので、インディアによる謎
解き＆悪人退治の映画かと思いきや、その後に待っているのは意外な、いや戦
慄の展開です！
もともと何かを内面に抱えていたインディアは、次第に嫌悪していた叔父と共
鳴していくのです。２人がピアノを一緒に弾き、インディアが恍惚とした表情
を見せていくシーンが圧巻。
後半になって叔父の正体が明らかになり、事態は急展開します。そこでインデ
ィアがとった行動が、これまた意外なもの。叔父と共鳴していたはずの彼女で
すが、その内面に眠っていたものはもはやそんな次元を超え、完全に覚醒して
いたのでした。それを示すラストシーンはまさに背筋ゾクゾクもの。鮮烈な映
像がいつまでも心に残ります。
初めは少女だったインディアの顔が、最後には完全な女に変化。ある意味、こ
れは少女の成長の物語といえるかも。ただし、さすがに復讐三部作のパク・チ
ャヌ監督だけに、人間の内部にある冷たく、どす黒いものを通してそれを描く
という恐ろしい映画。
ハリウッドデビューにして、あらためてその才気を見せつけたパク・チャヌク
監督なのでした。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（92点）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2013年6月2日（日）TOHOシネマズ シャンテにて。午後2時40分の回
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