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ジヤッキー・コーガン（KILLING THEM SOFTLY）
（2012年 アメリカ）（上映時間1時間37分）
監督・脚本：アンドリュー・ドミニク
出演：ブラッド・ピット、リチャード・ジェンキンス、ジェームズ・ガンドル
フィーニ、レイ・リオッタ、スクート・マクネイリー、ベン・メンデルソーン、
サム・シェパード
＊TOHOシネマズみゆき座ほかにて全国公開
ホームページ http://gacchi.jp/movies/jackie-cogan/
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＜ストーリー＞
2008年のニューオーリンズ。若者２人組が賭場を襲い大金を奪う。賭場を仕切
るギャング組織は犯人捜しのため、殺し屋ジャッキー・コーガン（ブラッド・
ピット）を雇う。まず疑われたのは、賭場の雇われオーナーのマーキー（レ
イ・リオッタ）だった。だが、まもなく本当の実行犯がわかり……。
＜レビュー＞
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殺し屋のドラマとしてはグダグダだが妙な味が
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何だか不思議な映画です。一応、裏社会の殺し屋にまつわる話ですが、犯罪劇
らしいスリルや壮絶なバイオレンスはありません。かといって深い人間ドラマ
もなし。なのに、妙に捨てがたい味があります。
事件の発端は2人の若者による賭場の襲撃。被害にあった賭場の元締めは、犯人
探しのためにジャッキーという殺し屋を雇います。最初に賭場の雇われオー
ナーが疑われるものの、やがて真犯人が明らかになります。
いかにもジャッキーが大活躍しそうな話ですが、まったく違います。確かにジ
ャッキーは個性派の殺し屋。凄腕でかっこよく、皮肉ばかり言います。しかし、
彼はターゲットのうちの1人の殺害は請け負うものの、もう1人については「顔
が割れているから」と自分で手を下すことを拒否。代わりにニューヨークから
別の殺し屋を呼びます。
ところが、この殺し屋。完全な老いぼれで、酒浸り＆女狂い。まったく役に立
ちません。それに振り回されておろおろするジャッキー。ようやく自分で手を
下すことにします。何なんだ？ この迷走ぶりは。
というわけで、殺し屋によるバイオレンス・アクション映画として観ると完全
に期待を裏切られます。ストーリーがグタグダ過ぎます、長ったらしいセリフ
も気になります。
ただし、何やら意味深な描写があっちこっちに。2008年のブッシュＶＳオバマ
の大統領選挙を背景に、オバマの演説がたくさん出てきます。そして、それに
対してジャッキーが「平等なんてジェファーソンのウソっぱち」とか「アメリ
カは国家じゃなくてビジネス」とか、皮肉たっぷりのセリフを吐きます。
これって、もしかして殺し屋映画を借りたアメリカの権力批判なのか？ うー
ん、製作も務めたブラピや、彼と『ジェシー・ジェームズの暗殺』でも組んだ
アンドリュー・ドミニク監督の意図がどこにあるのかはわかりませんが、色々
と考えさせられるのは確かです。
そういう意味で一見の価値はありそう。自分の目でどんな映画か確かめてみる
のもいいかもしれません。
ブラピ以外にも、リチャード・ジェンキンス、ジェームズ・ガンドルフィーニ、
レイ・リオッタ、サム・シェパードのベテラン勢の脇役陣も見ものです。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆
（86点）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆
（田中ひろあき）
2013年5月8日（水）シネ・リーブル池袋にて。午後2時30分の回
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