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カラカラ
（2012年 カナダ・日本）（上映時間1時間44分）
監督・脚本：クロード・ガニオン
出演：ガブリエル・アルカン、工藤夕貴、富田めぐみ、あったゆういち
＊新宿ピカデリーほかにて公開。全国順次公開
ホームページ http://www.bitters.co.jp/karakara/
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＜ストーリー＞
カナダのモントリオールから沖縄にやって来た元大学教授のピエール（ガブリ
エル・アルカン）は、偶然出会った主婦の純子（工藤夕貴）に観光ガイドをし
てもらう。その夜、ピエールのホテルに夫から暴力を振るわれた純子が現れる。
彼女は、ピエールの島巡りの旅に同行したいと言い出すのだが……。
＜レビュー＞
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沖縄を舞台にした大人の男女のロードムービー
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これまでにも『Ｋｅｉｋｏ』『KAMATAKI 窯焚』など、日本に縁の深い作品を監
督してきたカナダのクロード・ガニオン監督が、実際に住んでいたという沖縄
を舞台に撮ったロードムービーです。モントリオール世界映画祭で特別賞（世
界に開かれた視点賞）と観客賞（カナダ映画）を受賞しました。
沖縄を訪れた元大学教授のカナダ人の初老の男が、日本人の主婦と偶然知り合
い、一緒に沖縄の島を巡る旅をします。
とりたてて大事件は起きません。その代わり、２人が心を通わせたり、ケンカ
したりといった日常を淡々と描いていきます。
それを通して見えてくるのは、２人の生き直しのドラマです。カナダ人の男ピ
エールは、仕事を引退し、過去の暮らしを後悔し、友を失い、この先どうやっ
て生きるか迷っています。
一方、日本人の主婦・純子は、夫のＤＶに苦しみつつも、別れる踏ん切りがつ
かずに迷っています。
迷える２人が、旅を続けるうちに少しずつ変化していくようすが、温かな雰囲
気の中で描かれていきます。
最初はそれほど魅力的に思えなかった映画。しかし、観ているうちに、独特の
味わいが心地よくなり、どんどん引き込まれていきました。
まあ、何よりも沖縄の自然や文化、人がうまく取り入れられていますね。芭蕉
布やカラカラ（泡盛を入れる器）なども効果的に使われています。おかげで登
場人物とともに、何があっても前向きに、のびのびと生きていけるような気が
してくるから不思議なもの。あちらこちらに、ユーモアが散りばめられている
のも心地よさの源泉でしょう。
最後には２人の新たな旅立ちを提示して、観客を前向きな気持ちにさせてくれ
ます。
個人的に疑問なのは、２人が出会って、いきなり男女関係に突入してしまうと
ころ。私だったら、微妙な関係のまま引っ張りますけどね。
カナダのベテラン俳優ガブリエル・アルカンと工藤夕貴（ほぼ全編英語）の味
のある演技も見もの。セリフの一部はアドリブですかね？
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆
（84点）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2013年1月19日（土）新宿ピカデリーにて。午後2時20分の回
[「か」のページ] |
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