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建築学概論（ARCHITECTURE 101）
（2012年 韓国）（上映時間1時間57分）
監督・脚本：イ・ヨンジュ
出演：オム・テウン、ハン・ガイン、イ・ジェフン、スジ、チョ・ジョンソク
＊新宿武蔵野館ほかにて公開
ホームページ http://www.kenchikumovie.com/
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＜ストーリー＞
ソウルの建築事務所で働く建築士スンミン（オム・テウン）の前に、ソヨン（ハン・ガイン）という女性が現れて、「家を建ててほしい」と依頼する。今から15年前、ソヨン（スジ）は、大学１年のスンミン（イ・ジェフン）が"建築学概論"の授業で出会った初恋の相手だった。スンミンの脳裏に彼女と過ごした大学での日々がよみがえる……。
＜レビュー＞
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自分の過去の恋を思い出してしまう切ない恋愛映画
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今までも何度も言っていますが、ベタな恋愛ものを描かせたら韓国の右に出るものはナシ！ 昔の初恋の相手と再会して……というベタベタなストーリーなのに、脚本と演出の妙で心にしみるステキな映画に仕上げています。
建築事務所で働く建築士のスンミンのもとに、ある女性が「家を建ててほしい」と頼んできます。実は彼女は、大学時代にスンミンが知り合った初恋の相手。15年ぶりの再会です。タイトルの「建築学概論」とは、２人が出会うきっかけになった大学の授業です。
ドラマは現在と過去が並行して描かれます。家の建築が進む中、かつての思いが少しずつよみがえる現在のスンミンとソヨン。そして、あまりにも若々しく、初々しい15年前のスンミンとソヨン。
どちらのドラマも情感のすくい取り方が絶妙。特に大学時代のスンミンが、ソヨンの一挙手一投足に心を乱して、あれこれ考え、頼りない友達に相談したりする姿が印象的です。２人が出会って距離を縮めていくようすも、ワザとらしくなく自然です。
若き日の２人を見ていて、自分の初恋を思い出して切なくなる人も多いのでは？ そういう私も……。
そんな過去を背負いつつ、様々な思いが交錯する現在の２人も、なかなか切ないものがあります。スンヨンには婚約者がいるだけになおさらです。
現在の２人を演じるオム・テウンとハン・ガイン、15年前の２人を演じるイ・ジェフンとスジのキャストがピッタリ。現実離れした超美形ではなく、観客が親近感を持てる役者にしたのが成功しています。
音楽や小道具の使い方も凝っています。劇中で効果的に使われるフォークユニット"展覧会"の曲。そして、ＣＤウォークマン、ポケベル、ヘアムース、バッタモンのパーカーなどの小道具。
さてさて、過去の思いを背負いつつ、現在を生きる２人はどうなるのか。ラストを安直な大団円にせず、余韻を残したのは正解でしょう。年月を経た男女の苦い思いも醸し出しつつ、これからの再出発を暗示しています。２人の初恋は、ようやく終わったのかもしれませんね。
韓国で410万人を動員したというのも納得。ノスタルジックで、切ない恋愛映画です。女性だけでなく男性にもオススメです。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（+1／2★）
（90点）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆（+1／2★）
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2013年5月21日（火）新宿武蔵野館にて。午後1時20分の回
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