恋するリベラーチェ(BEHIND THE CANDELABRA)


(2013年 アメリカ)(上映時間1時間58分)
監督:スティーヴン・ソダーバーグ
出演:マイケル・ダグラス、マット・デイモン、ダン・エイクロイド、スコッ
ト・バクラ、デビー・レイノルズ、ロブ・ロウ
*新宿ピカデリーほかにて公開
ホームページ http://liberace.jp/
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<ストーリー>
ゴージャスなショーで大人気を誇ったピアニストのリベラーチェ(マイケル・
ダグラス)。人気絶頂の1977年に、ハンサムな青年スコット・ソーソン(マッ
ト・デイモン)と出会い、ひと目で彼に惹かれる。まもなくソーソンは住み込
みの秘書となり、リベラーチェの豪邸で愛を育んでいくのだが…。

<レビュー>
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稀代のエンターティナーの愛と孤独を描いたドラマ
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1950〜70年代のアメリカで、ド派手な衣装と奇抜なステージで大人気となった
エンターテイナー、リベラーチェと、彼の同性愛の恋人だった青年との愛憎劇
を描いたドラマです。

監督はスティーヴン・ソダーバーグ、出演はマイケル・ダグラスとマット・デ
イモンとくれば、これは期待するなというほうが無理でしょう。

全体の構成は比較的オーソドックス。リベラーチェの晩年にスポットを当て、
彼がスコットという青年と知り合って恋愛関係になり、やがて別れを迎え、そ
してエイズで死ぬまでを描いています。

このリベラーチェという人物について、筆者はまったく知らなかったのですが、
かなりユニークな人物です。基本はピアニストですが、その衣装はキンキラキ
ン。ピアノの上にはデカい燭台を置いています。演奏する曲もジャンルを超越。
ユニークなトークも繰り出します。

そして私生活もかなり破天荒。豪邸でぜいたくな生活を送り、若い男とセック
ス三昧の日々。その新しいターゲットになったのがスコットだったわけ。どん
どん結びつきを強め、ステージにも登場。2人の甘い日々が続くかと思えたもの
の……。

これは偉人伝などではなく、人間の裏表を容赦なく描き出したドラマです。同
性愛カップルの愛と憎しみ、嫉妬などと同時に、孤独な有名人の悲哀がスク
リーンを覆います。テンポの良い演出は、いかにもソダーバーグ監督らしいと
ころ。要所要所で凝った映像も登場。同性愛やエイズがタブーとされていた時
代性も、さりげなく盛り込まれています。

リベラーチェを演じるマイケル・ダグラスが体当たりの演技を披露。特に老い
に対する恐怖や、欲望の赴くままに行動する彼の姿がリアルに伝わってきます。
他人にはひた隠しにするハゲ頭姿も何だか哀しくて。

一方、スコットを演じるマット・デイモンもさすがの演技。特に、後半、ドラ
ッグに溺れ、イライラ感を募らせていく演技が絶品。マイケルとマットのヤバ
イ絡みのシーンもあります。

脇役で、ダン・エイクロイド、デビー・レイノルズ、ロブ・ロウらも顔を出し
ています。ノスタルジックな音楽は、昨年亡くなった『スティング』のマーヴ
ィン・ハムリッシュ。

リベラーチェのことを知らなくても、最後まで飽きずに楽しめました。期待を
裏切らない見応えある映画です(ちなみにアメリカではテレビ放映されてエ
ミー賞を獲得)。

≪ぽちの満足度≫
★★★★☆
(94点)

≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆(+1/2★)
                             (田中ひろあき)

〔鑑賞データ〕
2013年9月9日(月)マスコミ試写(シネマート六本木)にて


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