ムード・インディゴ うたかたの日々(L'ECUME DES JOURS)


(2013年 フランス)(上映時間1時間35分)
監督:ミシェル・ゴンドリー
出演:ロマン・デュリス、オドレイ・トトゥ、ガド・エルマレ、オマール・
シー、アイッサ・メガ
*新宿バルト9ほかにて公開
ホームページ http://moodindigo-movie.com/
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<ストーリー>
資産家で、働かずに暮らすコラン(ロマン・デュリス)。ある日、パーティー
で出会ったクロエ(オドレイ・トトゥ)という女性にひと目ぼれする。2人は
意気投合し、やがて結婚する。ところが、クロエは肺に睡蓮の花が咲く奇病に
冒されてしまう。必死に看病するコランだったが、高額な治療費のために財産
を失い、生まれて初めて働き始める……。

<レビュー>
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シュールで現代アートのような映像がテンコ盛り
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『エターナル・サンシャイン』『恋愛睡眠のすすめ』などのミシェル・ゴンド
リー監督が、ボリス・ヴィアンの小説を映画化しました。

原作は相当にユニークな小説らしいのですが(読んでなないけど)、それにし
てもこの映画のブッ飛び方はスゴイ。過去の作品でも、登場人物の妄想世界を
映像化してきたゴンドリー監督ですが、今回はその比ではありません。

主人公は、大金持ちで働かずに暮らす青年コラン。「恋をしたい!」と思って
いた彼は、パーティーでクロエという女性に出会い恋をする。2人は付き合い、
やがて結婚するが、クロエは肺に睡蓮の花が咲く病気にかかる。必死で看病す
るコラン。だが、治療費で財産はなくなり、働き始める……というストーリー。
いわば難病ものの恋愛ドラマです。

この映画の最大の見どころは映像です。奇妙奇天烈摩訶不思議。他では絶対に
見られないポップでぶっ飛んだ映像が次々に飛び出します。

カクテルを作るピアノ、クネクネした変な踊り、虫みたいな呼び鈴など、変わ
ったアイテムがたくさん登場。人の言葉がわかるネズミ、専属のシェフ、本を
買い漁る友人など登場人物もヘンなら、クロエがかかる奇病やコランの就職先
など展開もヘン。よくもまあこんなことを思いつくものです。

あまりにもシュールでまるで現代アートを見ているみたい。荒唐無稽なおとぎ
話のような映像を見ているうちに、「次は何が飛び出すのか」という興味で、
ついに最後まで飽きずに見てしまいました。

初々しいコランとクロエの恋を描く前半は色彩鮮やかに、クロエが病気になる
後半はモノトーンっぽい映像で描く変化も、よく考えられていますね。

ただし、ドラマは薄味。映像の強烈さばかりが目について、恋愛映画としての
みずみずしさや切なさは、イマイチ伝わってきませんでした。特に、ラストの
ほうは何だかあっけなく終わってしまって。

どうやら、このバージョン以外に、ディレクターズカット版(131分)があるら
しいのですが、そっちはもう少しドラマも深くなっているのでしょうか。気に
なるところです。

主演は『真夜中のピアニスト』のロマン・デュリスと『アメリ』のオドレイ・
トトゥ。オドレイ・トトゥは、こういう現実離れした映画がよく似合いますね。

≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆
(87点)

≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆
                             (田中ひろあき)

〔鑑賞データ〕
2013年10月8日(火)新宿バルト9にて。午後3時50分の回


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