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ムーンライズ・キングダム（MOONRISE KINGDOM）
（2012年 アメリカ）（上映時間1時間34分）
監督：ウェス・アンダーソン
出演：ブルース・ウィリス、エドワード・ノートン、ビル・マーレイ、フラン
シス・マクドーマンド、ティルダ・スウィントン、ジェイソン・シュワルツマ
ン、ボブ・バラバン、ジャレッド・ギルマン、サム・シャカスキー、カーラ・
ヘイワード
＊TOHOシネマズシャンテ、新宿バルト9ほかにて公開
ホームページ http://moonrisekingdom.jp/
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＜ストーリー＞
1965年、アメリカ・ニューイングランド沖に浮かぶ小さな島。ボーイスカウト
のサマー・キャンプ中に12歳の少年サム（ジャレッド・ギルマン）が置き手紙
を残し、姿を消す。彼は１年前に出会い恋に落ちたスージー（カーラ・ヘイ
ワード）と駆け落ちしたのだ。手に手をとって秘密の場所"ムーンライズ・キン
グダム"を目指す２人。一方、シャープ警部やボーイスカウトのウォード隊長、
スージーの両親ら島の大人たちは２人の行方を追う。そんな中、島には大きな
ハリケーンが接近して……。
＜レビュー＞
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メルヘンチックなウェス・アンダーソン監督流『小さな恋のメロディ』
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『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』『ダージリン急行』などで知られるウェ
ス・アンダーソン監督の映画。12歳の少年と少女の駆け落ちを描くという点で
は、名作『小さな恋のメロディ』と共通していますが、あちらが切ないラブス
トーリーだったのに対して、こちらはいかにもアンダーソン監督らしく、ユー
モラスでメルヘンチックな作品。
小さな島でボーイスカウトがキャンプをしていると、そこから12歳の少年が脱
走。実は、彼は1年前にある少女と恋に落ち、文通を重ねていたのでした。２人
は駆け落ちして、秘密の場所"ムーンライズ・キングダム"を目指します。それ
を周囲の大人たちが追跡します……。
まず目を引くのが主人公の少年少女の強烈キャラ。少年は孤児で、少女も家庭
で孤立するはみ出し者。それもハンパではないはみ出しっぷりです。そんな２
人に加え、ブルース・ウィリス演じるシャープ警部やエドワード・ノートン演
じるボーイスカウトのウォード隊長、ビル・マーレイとフランシス・マクドー
マンドが演じるスージーの両親など、周囲の人間たちもかなりの個性派。彼ら
の行状がいちいち笑いを誘います。
映像も凝りに凝っています。冒頭に登場するスージーの家をはじめ、メルヘン
チックな世界がスクリーンを包みます。まるですべてが絵葉書になりそうな映
像。スージーが持ち出してきたレコードプレーヤー、本、教会での芝居など、
細かなアイテムも雰囲気を盛り上げます。
1960年代の話だけに、レトロでノスタルジックな雰囲気が漂うのも魅力。この
時代を知らない人も、心地よくなるのでは？
さらに２人の少年少女に翻弄される大人たちを通して、人生のほろ苦さや哀歓
をチラリと見せているのもこの映画の特徴。
クライマックスは大嵐の襲来。そこで起きる奇跡のような出来事。まさにメル
ヘン。観客をほっこりとした気分にさせてくれます。
ウェス・アンダーソン流おとぎ話といえそうなこの映画。豪華俳優陣もその世
界にすっぽりとはまっています。とにかくユニークな世界です。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（89点）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2013年2月16日（土）TOHOシネマズシャンテにて。午後12時30分の回
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