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オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ
（ONLY LOVERS LEFT ALIVE）
（2013年 アメリカ・イギリス・ドイツ）（上映時間2時間3分）
監督・脚本：ジム・ジャームッシュ
出演：ティルダ・スウィントン、トム・ヒドルストン、ミア・ワシコウスカ、
アントン・イェルチン、ジェフリー・ライト、スリマヌ・ダジ、ジョン・ハー
ト
＊TOHO シネマズ シャンテ、新宿武蔵野館ほかにて公開
ホームページ http://onlylovers.jp/
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＜ストーリー＞
デトロイトに住むマルチミュージシャンのアダム（トム・ヒドルストン）は、
実は吸血鬼だった。ただし、人を襲うことはせずに、病院で血液を手に入れて
いた。そんなある日、彼の恋人でモロッコのタンジールで暮らす吸血鬼イヴ
（ティルダ・スウィントン）が、アダムのもとを訪れる。久々の再会を喜ぶ２
人だったが、そこへイヴの妹で問題児のエヴァ（ミア・ワシコウスカ）が突然
やってきて、彼らの運命はゆっくり狂い出す……。
＜レビュー＞
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ジャームッシュ監督らしいスタイリッシュでクールな吸血鬼映画
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『ストレンジャー・ザン・パラダイス』『ダウン・バイ・ロー』『ブローク
ン・フラワーズ』などの話題作を送り出してきた、インディーズ映画の巨匠ジ
ム・ジャームッシュ監督によるヴァンパイア映画です。
カリスマ的人気を誇るデトロイト在住のミュージシャンのアダム、実は彼は永
遠の命を持つ吸血鬼。ある日、何世紀も彼と愛し合ってきたイヴが、モロッコ
のタンジールから会いにきます。久々の再会で幸せ気分の２人ですが、そこに
イヴの妹で問題児のエヴァがやってきます。そして、危惧した通り彼女は事件
を起こします。
過去のジャームッシュ監督の映画と同じように、この映画もスタイリッシュ＆
クール！冒頭のレコードプレーﾔｰのアップから、カッコよすぎる映像の連続で
す。特に夜の街を２人がドライブするシーンが美しすぎます。
セリフもカッコいいですねぇ。何世紀も生きるアダムとイヴだけに、昔の作家
や音楽家などの話も織り込んだオシャレでヒネリのきいた会話が続きます。
何よりも、吸血鬼カップルを演じる『マイティ・ソー』のトム・ヒドルストン
と『少年は残酷な弓を射る』のティルダ・スウィントンが適役です。いかにも
吸血鬼らしい、はかなくて危うい存在感が光ります。
オフ・ビートな笑いが散りばめられているのも、ジャームッシュ監督の作品ら
しいところ。個人的に一番笑えたのは、エヴゥが「ソウル・ドラキュラ」のミ
ュージックビデオを観ているシーンですね。
アダムがミュージシャンということもあって、ギターに関するウンチクも登場。
また、全編に流れる様々な音楽も魅力的です。
まあ、ストーリー的にはどうってことはないのですが、吸血鬼が人間を襲わず
病院などから血を調達しているという設定が秀逸。彼らにとって現代社会は生
きにくい世界。しかも、アダムはゾンビを嫌悪しています。ゾンビって、実は
人間のことなんですよね。そのあたりで、今の世の中をシニカルに見る視線も
感じられます。
とはいえ、やっぱりこの映画は、ジャームッシュ監督らしいスタイリッシュ＆
クールで、オフビートな世界を楽しむ映画でしょう。他の監督にはマネできな
い独自のヴァンパイア映画です。
ちなみに、私、ユニクロのジャームッシュ監督作品のＴシャツを２枚持ってい
るのですが、この映画もＴシャツにしてくれませんかね？
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（89点）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2013年12月22日（日）新宿武蔵野館にて。午後1時50分の回
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