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おしん
（2013年 日本）（上映時間1時間49分）
監督：冨樫森
出演：濱田ここね、上戸彩、岸本加世子、井頭愛海、小林綾子、満島真之介、
乃木涼介、吉村実子、ガッツ石松、稲垣吾郎、泉ピン子
＊丸の内TOEIほかにて全国公開
ホームページ http://movie-enter.com/feature/oshin/
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＜ストーリー＞
明治40年。山形県最上川上流の貧しい小作農家に生まれたおしん（濱田ここ
ね）は、７歳で年季奉公に出される。奉公先の材木店で辛い毎日を送るおしん
は、雪が溶けたら家に帰れると信じて、必死で耐えていく。だが、ある時、店
の財布から50銭銀貨がなくなる事件が起き、濡れ衣を着せられたおしんは、店
を飛び出してしまう……。
＜レビュー＞
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かつての名作ドラマの劇場版。子役が見事
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1983年に放送されて、日本はもちろんアジア各国でも人気を集めた橋田壽賀子
原作のNHK朝の連続テレビ小説「おしん」。30年後の今になって劇場版の登場で
す。
主人公のおしんの苦難の生涯を描いたテレビ版に対して、こちらは子供時代の
おしんに焦点を絞った作品。
明治40年。貧しい小作農家に生まれたおしんが、わずか７歳で奉公に出され必
死で働くものの、無実の罪を着せられ飛び出してしまう。行き倒れになりかけ
た彼女を１人の猟師が救い、親切にしてくれるのだが……。
前半はひたすら苦難に耐えるおしんを描き、中盤以降はその中で少しずつ人の
善意に触れて、希望を見出していくおしんの姿を描きます。ベタすぎる設定＆
ストーリー展開ですが、それでもけっこう感動できます。
それというのも、おしん役の濱田ここねチャンの名演が光るから。2500人の
オーディションを勝ち抜いたというだけに、この子、ただ者ではありません。
ひたすら苦難に耐えながら、けっしてくじけないその表情が、観客の心を直撃
します。大人の役者たちを食う見事な演技です。
そんな彼女を生かして、よけいなことをしない演出が成功。さらに、山形出身
の冨樫森監督が、山形でオールロケした映像も見応えがあります。特に過酷な
雪国の自然描写が圧巻です。
ただし、気になるところもいくつかあります。まず登場人物がどう考えても100
年前の人には見えないこと。唯一ガッツ石松だけが、それらしく見えます。と
はいえ、ガッツさんみたいな役者だけを揃えるわけにもいかないし、まあしょ
うがないか。
そして、最大の疑問が「なんで今劇場版なの？」。テレビ版放送30周年だから
って、それだけじゃねぇ。まさか橋田先生へのプレゼントでもないでしょうし。
今映画化するなら、ちゃんと現在に通じるものが欲しいところ。反戦平和、親
子の情愛、貧困問題など、それなりにテーマになりそうなものはあるものの、
どれも散漫で深まりません。「なぜ今？」という疑問は最後まで解決しません
でした。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆
（86点）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2013年10月16日（水）池袋シネマサンシャインにて。午後2時20分の回
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