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ランナウェイ／逃亡者（THE COMPANY YOU KEEP）
（2012年 アメリカ）（上映時間2時間2分）
監督・製作：ロバート・レッドフォード
出演；ロバート・レッドフォード、シャイア・ラブーフ、ジュリー・クリステ
ィ、サム・エリオット、ジャッキー・エヴァンコ、ブレンダン・グリーソン、
テレンス・ハワード、リチャード・ジェンキンス、アナ・ケンドリック、ブリ
ット・マーリング、スタンリー・トゥッチ、ニック・ノルティ、クリス・クー
パー、スーザン・サランドン
＊新宿武蔵野館ほかにて全国公開
ホームページ http://www.runnaway.jp/
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＜ストーリー＞
1969年。ベトナム戦争反対を訴える過激派グループ"ウェザーマン"は、政府機
関を爆破するなどして、ＦＢＩの最重要指名手配犯となるが、忽然と姿を消し
てしまう。それから30年、突然、元メンバーの一人が逮捕される。地元紙の若
手記者ベン・シェパード（シャイア・ラブーフ）は取材の過程で、弁護士のジ
ム・グラント（ロバート・レッドフォード）という人物に行きつく。だが、彼
は最愛の娘を弟に託し、逃亡を図る。彼の正体は、ウェザーマンのメンバー、
ニック・スローンだった……。
＜レビュー＞
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レッドフォードが元過激派の人生の悲哀を誠実に描く
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ロバート・レッドフォードが久々に監督・主演を務めた社会派サスペンス・ド
ラマです。
ベトナム反戦運動で過激な行動に出て、ＦＢＩに指名手配されていた過激派メ
ンバーの１人が30年ぶりに姿を表し、逮捕されます。地元紙の若手記者は、そ
の取材の過程で弁護士のグラントという人物に注目します。ところが、彼は娘
を弟に託し、逃亡を図ります。いったい彼の正体は何なのか？
と思ったら、その正体が指名手配中の過激派のメンバー、ニック・スローンで
あることが、すぐに明らかになってしまいます。その代わり、逃亡した彼が何
を目的に、何をしようとしているのかが大きな謎として浮上します。それを若
手記者が調べるという展開。ＦＢＩによる追跡劇もあって、それなりに盛り上
がりはするものの、謎解きサスペンスとしては、それほどの映画ではありませ
ん。
むしろこの映画で注目すべきなのは、ベトナム反戦運動を背景にした人間ドラ
マです。かつての闘士たちはなぜ過激な行動に出たのか。今までどんな心理で
逃げ延びてきたのか。そして今はどう行動しようとしているのか。
それをレッドフォードらしく、リベラルな視点から誠実に描き出していきます。
もちろんただのエンタメ監督のように、元過激派メンバーたちを「テロリス
ト」と簡単に非難したりしません。むしろ彼らを時代に突き動かされた若者た
ちとして描きます。「もしかしたら自分も彼らになっていたかも」。同世代の
人たちはそう思うかもしれません。
そこからにじみ出てくる人生の悲哀を丹念にすくい取るレッドフォード監督。
クライマックスで明らかになる主人公の秘密は、驚くほどのものではありませ
んが、ラストの元女性闘士の決断、その後の主人公と娘とのシーンなどにも、
レッドフォード監督の良心のようなものがクッキリと見えました。
さすがにシワだらけで年齢を感じさせるのは確か。でも、こういう人が、こう
いう誠実な映画を作っているからこそ、まだまだアメリカにも希望があるかも
……と思わせる一作。
それにしても、ジュリー・クリスティ、サム・エリオット、リチャード・ジェ
ンキンス、スタンリー・トゥッチ、ニック・ノルティ、クリス・クーパー、
スーザン・サランドンなどオスカー候補常連のベテラン実力者の豪華さときた
ら。対照的に若々しいシャイア・ラブーフも含めて、脇役にも大注目の映画で
す。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（89点）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2013年10月6日（日）新宿武蔵野館にて。午後3時35分の回
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