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セッションズ（THE SESSIONS）
（2012年 アメリカ）（上映時間1時間35分）
監督・脚本：ベン・リューイン
出演：ジョン・ホークス、ヘレン・ハント、ムーン・ブラッドグッド、アニ
カ・マークス、リー・パールマン、アダム・アーキン、ウィリアム・Ｈ・メイ
シー
＊シネマカリテにて公開
ホームページ https://www.facebook.com/FoxSearchlightJP
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＜ストーリー＞
幼少期にかかったポリオが原因で首から下がマヒした38歳のマーク（ジョン・
ホークス）。詩人兼ジャーナリストとして活躍する彼に、障がい者のセックス
というテーマで原稿依頼が舞い込む。取材の過程で自分も性的な体験がしたい
と思うようになり、セックス・サロゲート（代理人）のシェリル（ヘレン・ハ
ント）にセックス・セラピーを受けるのだが……。
＜レビュー＞
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前に進むことのできない人に勇気を与えるドラマ
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障害者の性を正面から取り上げた映画です。
主人公のマークは、子供の時のポリオが原因で首から下がマヒ。それ以来ベッ
ドに寝たきりの生活ですが、大学も卒業して、38歳の今は詩人・ジャーナリス
トとして活躍しています。そんなある日、障がい者のセックスというテーマの
原稿依頼があって、取材をするうちに自分も性的な体験をしてみたくなります
（当然、彼は童貞）。そこで、セックス代理人（て、そんな仕事があるの
か？）のシェリルにセックスの手ほどきを受けることにします。
と聞くと、何やらイヤラシイ映画のようですが、そうではありません。際どい
ネタを巧みに処理。確かに裸はたくさん出ますが、ユーモアを交えつつサラリ
と描きます。なので、それほどイヤラシくはありません（それでもＲ18指定で
すが）。
主人公のマークは、セックスの手ほどきを受けると決めても、あれこれ迷い悩
みます。実際に始まってからも、失敗ばかりで後悔します。それを知り合いの
神父に相談したりします。それでも、やがて少しずつ前に進んでいきます。
というわけで、この映画は単に「障がい者のセックス」というネタを越えて、
自分の殻に閉じこもってなかなか前に進むことのできない人に、勇気を与える
ドラマになっています。もちろん、それは傷がい者だけではありません。それ
こそが、作り手が最も描きたかったところではないでしょうか。
最初はセックスから入ったマークとシェリルの関係ですが、やがてそれだけで
は済まなくなってきます。そこにまた葛藤や悩みが生まれるわけです。
終盤は、ありきたりの恋愛ドラマに突入するのかと思いましたが、そうではあ
りませんでした。マークの新たな出会いを通して、最後は彼の輝かしい人生に
賛辞を送ります。ちょっぴり悲しいけれど、後味の良いエンディングです。
この映画で映画賞の候補になった主演のジョン・ホークス（『ウィンターズ・
ボーン』）とセックス代理人役のヘレン・ハント（『恋愛小説家』）の熱演に
加え、神父役のウィリアム・Ｈ・メイシーをはじめ脇役の存在感も光ります。
ネタの奇抜さに目を奪われないで観ると、きっと多くの人の心に響くはず。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（91点）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2013年12月7日（土）シネマカリテにて。午後2時20分の回
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