|
サイド・エフェクト（SIDE EFFECTS）
（2013年 アメリカ）（上映時間1時間46分）
監督：スティーヴン・ソダーバーグ
出演：ジュード・ロウ、ルーニー・マーラ、キャサリン・ゼタ＝ジョーンズ、
チャニング・テイタム
＊TOHOシネマズみゆき座ほかにて全国公開中
ホームページ http://www.side-effects.jp/
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
＜ストーリー＞
インサイダー取引の罪で服役していた夫マーティン（チャニング・テイタム）
が出所し、妻のエミリー（ルーニー・マーラ）は喜ぶ。だが、彼女はうつ病に
かかっており、自動車を運転して壁に激突する。自殺未遂だと判断した精神科
医バンクス（ジュード・ロウ）は、彼女に新薬を処方するが、その副作用で夢
遊病を発症したエミリーは、ある時マーティンを刺殺してしまう。バンクスの
証言で心神喪失が認められ、エミリーは無罪になるが、今度はバンクスが薬を
処方した責任を追及され、窮地に追い込まれる……。
＜レビュー＞
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
何が真実かわからなくなるスリリングなサスペンス
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
しばらく映画監督はやらないと宣言したスティーヴン・ソダーバーグ監督の作
品（このあと、『恋するリベラーチェ』が公開になりますが）。
「サイド・エフェクト」とは、副作用のこと。その名の通り、薬の副作用をめ
ぐるサスペンスです。
インサイダー取引で刑務所にいた夫が出所。妻のエミリーは喜ぶが、彼女はう
つ病を発症しており、自動車事故を起こす。それを自殺未遂と判断した精神科
医のバンクスは新薬を処方。ところがその副作用で夢遊病を発症したエミリー
は夫を刺殺。バンクスの証言でエミリーは無罪になるものの、彼女に新薬を処
方したバンクスは責任を追及され窮地に陥る……というお話。
冒頭の建物（実はそれが何か最後でわかる）の映像から、怪しすぎる雰囲気が
たっぷり。ソダーバーグ監督らしさが満載です。
途中まではよくあるサスペンスのパターン。しかし、エミリーによる夫刺殺事
件に疑問を持ったバンクスが、その真相を探り始めるあたりから意外な展開に
突入します。
当初は普通に事件を追っていたバンクス。ところが、世間の冷たい視線を浴び、
クリニックをクビになり、妻からも疑惑の目を向けられて追い詰められていき
ます。それとともに、彼の探偵劇もどんどん暴走し、常軌を逸するようになり
ます。おかげで観客は、いったい何が真実で何がウソなのか、まったく見当の
つかない世界に入り込んでしまうのです。
やがて明らかになる真相。それもかなり意外なものですが、さらに意外なのが、
その後のバンクスの行動。なるほど、そうきましたか。うーむ、背筋ゾクゾク
の怖い結末です。
インサイダー取引など現在の社会問題も織り込みつつ、巧みに構成された脚本。
相変わらず冴えまくるソダーバーグ監督の演出。そして、ジュード・ロウの安
定した演技に加え、次々に表情を変化させるルーニー・マーラの存在感。どれ
をとってもよくできたサスペンスです。
それにしても『恋するリベラーチェ』で夫のマイケル・ダグラスが同性愛者を
演じたキャサリン・ゼタ＝ジョーンズが、この映画でああいう役をやるという
のが何とも面白いところです。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（90点）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2013年9月10日（火）シネマカリテにて。午後2時20分の回
[「さ」のページ] |
|