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シュガーマン 奇跡に愛された男（SEARCHING FOR SUGAR MAN）
（2012年 スウェーデン・イギリス）（上映時間1時間25分）
監督：マリク・ベンジェルール
出演：ロドリゲス
＊角川シネマ有楽町ほかにて公開
ホームページ http://www.sugarman.jp/
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＜ストーリー＞
アメリカでデビューしたものの、まったく売れなかったシンガーソングライ
ターのロドリゲス。だが、70年代後半、彼のアルバムはアパルトヘイト時代の
南アフリカへ渡り、反アパルトヘイト運動の象徴として大ヒットする。90年代
に入り、２人の熱狂的なファンが謎に包まれたロドリゲスの消息を探り始める
のだが……。
＜レビュー＞
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謎の歌手を追うエンタメ性もあるドキュメンタリー
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1970年、アメリカでメジャーデビューしたシンガーソングライターのロドリゲ
ス。だが、発表した２枚のアルバムは全く売れず、音楽シーンから消えてしま
う。ところが、70年代後半、仮のアルバムはアパルトヘイト時代の南アフリカ
へ渡り、抵抗運動のシンボルとして大ヒットする……。
そんな謎のシンガーソングライターのロドリゲスという人物を描いたドキュメ
ンタリーです。
前半は、アメリカでロドリゲスがどのように見出されてデビューし、そして忘
れ去られたかが、プロデューサーなどの関係者の証言を中心に描かれます。
その後、彼の歌が突如として南アフリカでヒットした様子を、こちらも関係者
の証言やニュースフィルムなどを中心に描かれます。特に、当時の南アフリカ
のアパルトヘイト政策に対する抵抗運動として、ロドリゲスの反権力的な歌が
受け入れられた背景を明らかにしていきます。
ここまでならただの伝記映画。しかし、この映画の真骨頂はここからです。南
アフリカでロドリゲス死亡説が流れたことを伝えた後、２人のファンが彼の消
息を追うところが描かれます。欧米のドキュメンタリーには、エンタメ性のあ
るものが多いけれど、この映画もそんな作品。途中からはまるでミステリー・
サスペンスのような展開です。
さらに、その中で音楽業界の裏まで暴きます。はたして、南アフリカであれだ
け売れたロドリゲスの曲の売り上げはどこに行ったのか？
ロドリゲス探しは、意外に早く「彼は生きている！」とわかって終了。と思っ
たら、そこからがまたまた驚きの展開。
いやぁ〜、これはビックリでしたね。彼のその後が描かれ、さらにある衝撃的
な出来事が起きるクライマックス。盛り上げ方がうまいから、思わず「頑張れ
ば奇跡は起きるんだ」と素直に感動してしまいました。
「事実は小説よりも奇なり」を実感させる、心憎いばかりによく考えられたド
キュメンタリー。さすがアカデミー長編ドキュメンタリー賞を取るだけのこと
はあります。
もちろん全編に流れるユニークで説得力のあるロドリゲスの歌も、この映画の
大きな魅力です。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（90点）
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（田中ひろあき）
2013年3月20日（水）角川シネマ有楽町にて。午後1時の回
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