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天使の処刑人 バイオレット＆デイジー（VIOLET & DAISY）
（2011年 アメリカ）（上映時間1時間28分）
監督・脚本：ジェフリー・フレッチャー
出演：シアーシャ・ローナン、アレクシス・ブレデル、ジェームズ・ガンドル
フィーニ、ダニー・トレホ、マリアンヌ・ジャン＝バプティスト、タチアナ・
マズラニー、コディ・ホーン
＊新宿シネマカリテほかにて公開
ホームページ http://www.angel-vd.com/
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＜ストーリー＞
バイオレット（アレクシス・ブレデル）とデイジー（シアーシャ・ローナン）
は、ニューヨークに暮らすティーンエイジャーの仲良し２人組。だが、実は彼
女たちは殺し屋だった。普段はお手軽な殺しだけを請け負う２人は、ある時、
憧れの新作ドレス欲しさに仕事を引き受ける。今回も簡単な仕事のはずだった
のだが、思わぬ事態に巻き込まれていく……。
＜レビュー＞
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女の子の殺し屋２人のＢ級アクションと思いきや
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物語の主人公はバイオレットとデイジーというティーンエイジャーの女の子。
オープニングは、2人が尼僧の格好をして登場。いきなり銃をぶっ放して、相手
を殺します。そうです。2人は殺し屋なのです！
とくれば、これはもうＢ級バイオレンス・アクション映画に決まってますよね。
ところがこれが意外や意外……。
前半は予想通りの展開。かわいらしい２人がターゲットを容赦なくぶっ殺して、
さっそうと引き返します。ただし、その前後にはおバカな話をしたり、ファッ
ションについてガールズトークを繰り広げたり、殺害現場に残してきた犬を気
にしたり。恐ろしい殺し屋の顔と、それ以外の顔の落差が何とも魅力的です。
しかし、それがまもなく一変します。新作ドレス欲しさに、ある殺しの依頼を
受ける２人。ところが、ターゲットの初老の男は自ら死にたがっているからや
やこしい話。おまけに、銃の弾が切れたり、別の殺し屋たちがやってきたりと
スッタモンダの大騒ぎです。
そんな中で、バイオレットとデイジー、そしてターゲットの男との交流が始ま
ります。それはほのぼのとしつつも、ちょっぴりほろ苦い交流。全体のタッチ
はユーモラスながら、それぞれが抱えた心の傷、誰にも言えない秘密などが明
らかになってきます。それを通して、親子の関係、友情、人生など、様々な
テーマが浮き上がってきます。これって、完全な人間ドラマじゃないですか！
その間には、バイオレットの夢の中の風景を映像化するなど、自由で大胆な展
開もアリ。これもまたユニークです。
ラストは、大きな出来事を体験した２人が、確実に成長したことを示すエピ
ソード。何だか温かな気持ちになってきました。
Ｂ級バイオレンス・アクションでスタートした映画が、最後には女の子たちの
青春成長物語に転化するという予想外の展開。でも、観終わった後味は悪くあ
りませんでした。予断を持たないで観れば、けっこう楽しめるのではないでし
ょうか。
考えてみたら、２人の女の子を演じるのは『つぐない』『ハンナ』のシアーシ
ャ・ローナンと『旅するジーンズと16歳の夏』のアレクシス・ブレデル。共演
は実力派のジェームズ・ガンドルフィーニ（今年6月に急死）。でもって、監督
は『プレシャス』の脚本でオスカーを獲得し、これが初メガフォンとなるジェ
フリー・フレッチャー。とくれば、ただのＢ級映画のはずがないですよね。良
い意味で予想を裏切られました。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（89点）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2013年10月13日（日）新宿シネマカリテにて。午後1時50分の回
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