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ザ・マスター（THE MASTER）
（2012年 アメリカ）（上映時間2時間18分）
監督・脚本：ポール・トーマス・アンダーソン
出演：ホアキン・フェニックス、フィリップ・シーモア・ホフマン、エイ
ミー・アダムス、ローラ・ダーン、アンビル・チルダーズ、ジェシー・プレモ
ンス、ラミ・マレック、クリストファー・エヴァン・ウェルチ、ケヴィン・
Ｊ・オコナー、マディセン・ベイティ、レナ・エンドレ
＊TOHOシネマズ シャンテ、新宿バルト９ほかにて全国公開
ホームページ http://themastermovie.jp/
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＜ストーリー＞
第二次大戦で心に傷を負った元海兵隊員のフレディ（ホアキン・フェニック
ス）は、ある日、港に停泊中の船に入り込む。船員に見つかり、"ザ・コーズ"
という新興団体を率いて信者から"マスター"と呼ばれるランカスター・ドッド
（フィリップ・シーモア・ホフマン）の前に引き出される。ドッドはフレディ
を歓迎し、フレディもドッドに親近感を持つ。それ以来、２人は次第に強い絆
で結ばれていくのだが……。
＜レビュー＞
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２人の役者の圧倒的な演技を観る映画
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第二次大戦で心に傷を負った元兵士と、新興宗教の教祖との出会いと別れを描
いた映画です。監督は『マグノリア』『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』など
のポール・トーマス・アンダーソン。
何でもトム・クルーズやジョン・トラボルタも信者の某宗教団体がモデルらし
いのですが、起伏のあるドラマではありません。大きな出来事もまったくなし。
それでも見応えはあります。
この映画の最大の（というか唯一の？）見どころは、教祖ランカスターを演じ
るフィリップ・シーモア・ホフマンと、元兵士フレディを演じるホアキン・フ
ェニックスの演技合戦。
アル中ですぐにブチ切れるフレディは、狂気に満ちています。しかし、まもな
くランカスターのカリスマ性にひかれて、心酔していきます。それでも彼の狂
気は相変わらず。ランカスターを批判する人間をボコボコにしたりします。
一方、ランカスターは、そんなフレディに興味を持ち、彼の感情をコントロー
ルしようとします。とはいえ、彼とてかなり複雑な人間。倫理的にふるまうこ
とを説く半面、ワケのわからない話を延々と続けたり、乱交もどきのパーティ
を開いてみたり。
フレディは単純にランカスターに洗脳されるわけではありません。ランカス
ターも単純にフレディに愛情を持つわけではありません。そんな複雑すぎるキ
ャラクターと、複雑すぎる２人の関係を見事に演じるホアキン・フェニックス
とフィリップ・シーモア・ホフマン。その演技は必見もの。
後半に奇妙な訓練を繰り返す２人のぶつかり合いも、圧倒的な迫力です。別に
カルト宗教を暴露する映画ではありませんが、何やらその恐ろしさもチラチラ
見えたりして。
最後の方の２人の決別の経緯が、イマイチよくわからないのですが、そこもホ
アキンとフィリップの演技力で、無理やり納得させられてしまいます。
結局、フィリップの心の隙間を埋めるのは新興宗教などでなく、行きずりの女
だったりするわけですね。
とにかく２人の役者を観る映画です。そこに注目！
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（89点）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2013年3月28日（木）新宿バルト９にて。午後1時45分の回
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