|
トリック劇場版 ラストステージ
（2013年 日本）（上映時間1時間52分）
監督：堤幸彦
出演：仲間由紀恵、阿部寛、生瀬勝久、野際陽子、東山紀之、北村一輝、水原
希子、中村育二、石丸謙二郎、池田鉄洋、吉田鋼太郎
＊新宿ピカデリーほかにて全国公開
ホームページ http://www.yamada-ueda.com/movie/
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
＜ストーリー＞
自称天才物理学者・上田次郎（阿部寛）のもとを、村上商事の加賀美慎一（東
山紀之）という男が訪ねてくる。海外の秘境にあるレアアースの採掘権を獲得
したものの、地元部族の妨害に遭っているので、彼らを立ち退かせるのに協力
してくれというのだ。上田は自称天才美人マジシャンの山田奈緒子（仲間由紀
恵）を同行させ、現地に入る。そこには謎の女呪術師がいた……。
＜レビュー＞
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
オバカ映画の金字塔、ここに完結す
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
自称天才物理学者・上田次郎と自称天才美人マジシャン（貧乳）山田奈緒子が、
様々な謎に迫るＴＶシリーズの映画版。ＴＶ版は2000年にスタートして、劇場
版もこれが第４弾ですが、今回で14年に渡ったシリーズも終了だそうです。
今回上田と山田が向かうのは、赤道近くの国。そこの村でレアアースが見つか
ったものの、地元の村人の抵抗で採掘ができません。そこで、採掘権を持つ日
本の会社が、上田に依頼して村人を立ち退かせようというのです。彼らは村人
を束ねる女呪術師と対決します……。
てな、ストーリーはどうでもいいです。このシリーズの魅力は「わかる人だけ
わかってね」というマニアックすぎる笑い。今回もそれがテンコ盛りです。何
しろ舞台になる村の名前が「ムッシュム・ラー村」。そうです。ダチョウ倶楽
部のギャグ「ムッシュムラムラ」です。
そして、上田に依頼を持ち込んだ会社の名前が「村上商事」。会長はあの村上
ショージなのです。
そのほかにも、野際陽子扮する山田の母に昔の万年筆のＣＭのフレーズを寝言
で言わせたり、舞台俳優の吉田鋼太郎に舞台そのままの大仰な芝居をさせたり、
予備知識のない人にはさっぱりわからないネタが満載です。
このシリーズはもともと、午後11時過ぎのディープな時間のドラマ。主演の仲
間由紀恵と阿部寛も今ほど売れっ子ではありませんでした。だからこそ、こん
なマニアックなネタができたのでしょう。それを、こんなにメジャーになって
も続けているのだからスゴイ。
その一方で、生瀬勝久演じる矢部警部補のズラネタで笑わせるなど、誰にでも
わかるネタもキッチリ押さえるしたたかさもあります。
途中からは仲間が一人ずつ殺されて、「さぁ、どうなるか？」という展開。後
半は笑いはやや抑制的。
クライマックスは、ハリウッド映画みたいな自己犠牲＆感動の展開。それでも、
その後の後日談にご本家のダチョウ倶楽部を登場させたり、山田の母の言葉や
エンドロールの過去の作品の映像でノスタルジックな気分にさせるなど、最後
までいろんなものがゴッタ煮状態。さらに、エンドロールの後は、まさかの
シーンを登場させて余韻を残します。
そんなこんなで、完結編にふさわしい終幕でした。シリーズ開始から終わりま
で、ここまでオバカに徹してくれたのですから、日本のオバカ映画の金字塔と
いえるかも。いつかまた復活しても、このシリーズなら許せちゃう！
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（89点）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2014年1月12日（日）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後2時45分の回
[「と」のページ] |
|