ウォールフラワー(THE PERKS OF BEING A WALLFLOWER)


(2012年 アメリカ)(上映時間1時間43分)
監督・脚本・原作:スティーブン・チョボウスキー
出演:ローガン・ラーマン、エマ・ワトソン、エズラ・ミラー、メイ・ホイッ
トマン、ジョニー・シモンズ、ポール・ラッド、ケイト・ウォルシュ、ディラ
ン・マクダーモット、メラニー・リンスキー、ニーナ・ドブレフ、ジョーン・
キューザック
*TOHOシネマズシャンテほかにて公開
ホームページ http://wallflower.gaga.ne.jp/
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<ストーリー>
16歳の少年チャーリー(ローガン・ラーマン)は、高校に入学したものの友達
もできず、息をひそめるように毎日を過ごしていた。そんなある日、フット
ボールの試合会場で陽気なパトリック(エズラ・ミラー)とその義妹で美しく
奔放なサム(エマ・ワトソン)に出会う。彼らの仲間になったチャーリーは生
活が一変するのだが……。

<レビュー>
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青春の恋と友情をみずみずしく描く
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1999年にアメリカで出版され、ベストセラーになった青春小説を、原作者のス
ティーブン・チョボウスキーが自らの監督・脚本で映画化しました。

高校に入学したものの、友達もできずにパッとしない毎日を送るチャーリー。
ある日、先輩のパトリックとその義妹サムと知り合います。それをきっかけに
誰にも相手にされない「壁の花」だったチャーリーが、奔放な2人に振り回さ
れながらも、新しい世界に足を踏み入れていきます。

チャーリーが作家志望ということもあり、彼の書いた手紙のスタイルで物語が
進行します。誰にでも覚えのある青春時代の体験をリアルに描写。主人公はも
ちろん、周囲の人々も厚みのあるキャラクター設定で、不自然さはありません。
何よりも生き生きとしたテンポの良い演出が魅力的。音楽の使い方もセンス抜
群です。

パトリックとサムと知り合って変わっていくチャーリー。ドラッグを体験した
り、「ロッキー・ホラー・ショー」の舞台に出演したり、国語教師に才能を認
められたり。そんな彼の様子をみずみずしく描きます。

青春ドラマらしく恋もあります。サムに憧れるようになるチャーリー。とはい
え、サムには彼氏がいたりして。他の女の子との関係も含めて、まさに青春の
恋と友情の世界。

ただし、チャーリーには、過去のトラウマがあります。それが映像でチラチラ
挟み込まれ、後半にすべてが明らかになります。さらに、パトリックやサムも
問題を抱えていて、それが大きな影を落とします。このあたりは、ただの友情
&恋愛ドラマではなく、人間の本質に根ざした奥行きを感じさせる展開です。

当然ながら、彼らには思い通りにいかないことがあります。それでも、ラスト
は未来への希望を感じさせます。デヴィッド・ボウイの「ヒーロー」をバック
にしたドライブシーンが心を揺さぶります。いろんな問題があっても、彼らは
きっとそれを乗り越えていくことでしょう。

『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』のローガン・ラーマン、『ハ
リー・ポッター』シリーズのエマ・ワトソン、『少年は残酷な弓を射る』のエ
ズラ・ミラーが、等身大の若者を演じて魅力十分

もうすでに青春を過ぎた人も、今青春まっただ中の人も、どちらも心を動かさ
れそうな青春映画です。

≪ぽちの満足度≫
★★★★☆
(93点)

≪ぽちのオススメ度≫
★★★★☆
                             (田中ひろあき)

〔鑑賞データ〕
2013年12月6日(金)TOHOシネマズシャンテにて。午後2時50分の回


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