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私が愛した大統領（HYDE PARK ON HUDSON）
（2012年 イギリス）（上映時間1時間34分）
監督：ロジャー・ミッシェル
出演：ビル・マーレイ、ローラ・リニー、サミュエル・ウェスト、オリヴィ
ア・コールマン、エリザベス・マーヴェル、エリザベス・ウィルソン、エレノ
ア・ブロン、アンドリュー・ヘイヴィル、マーティン・マクドウガル、オリヴ
ィア・ウィリアムズ
＊Bunkamuraル・シネマほかにて公開
ホームページ http://daitoryo-movie.com/
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＜ストーリー＞
1930年代のアメリカ。32代アメリカ合衆国大統領フランクリン・ルーズベルト
（ビル・マーレイ）。多忙な彼の話し相手として、従妹のデイジー（ローラ・
リニー）が招かれる。すぐに親密になった２人は、一緒にドライブに出かける
ようになる。そんなある日、英国王ジョージ6世夫妻がアメリカを訪問し、ルー
ズベルトの私邸にやってくる。ドイツとの開戦が迫る中、2人は大統領の執務室
で会談するのだが……。
＜レビュー＞
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ルーズベルト大統領と「恋人」との関係を軽快に描く
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アメリカの有名な大統領ルーズベルトを描いたドラマ。といっても普通の偉人
伝ではありません。
ドラマの語り手になるのはルーズベルトの従妹の女性デイジー。退屈で夢のな
い毎日を送っていた彼女が、突然、ルーズベルトのもとに呼ばれます。小児麻
痺の後遺症に苦しみながら、不況の克服という難題に立ち向かう彼の話し相手
になって欲しいという依頼でした。すぐに２人は親密な関係になります。
ルーズベルトには別居中ながら、エレノアという立派な奥さんがいます。つま
り、ルーズベルトとデイジーは不倫関係。とくれば、ドロドロの愛憎劇が展開
されるメロドラマか、重たい人間ドラマになるかと思いきや、意外にもコメデ
ィータッチの軽快なお話になっているから面白いもの。デイジーの語り口を中
心にシニカルな雰囲気も漂います。
監督は『ノッティングヒルの恋人』のロジャー・ミッシェル。なるほど、それ
を聞いて何となく納得。
前半に描かれるのは、ルーズベルトとデイジーとの愛の日々。激務の中、そこ
に安らぎを見出すルーズベルトと、彼を支えるデイジーの姿が生き生きと描か
れます。
とはいえ、やっぱり不倫愛。悩みや苦しみもたっぷり描かれるかと思いきや、
そこはサラッと描かれるのみ。
それというのも、途中からドラマは英国王ジョージ6世夫妻のアメリカを訪問の
話が中心になるんですよね。ドイツとの開戦前という難しい局面の中、ルーズ
ベルトとジョージ6世が交流を深め、やがてイギリスとアメリカが固い絆を結ぶ
という展開。
そこも面白おかしく描いていて、特にジョージ6世と王妃とのやり取りは爆笑も
の。ピクニックでのホットドッグのエピソードなど笑えるネタが満載です。
ただし、その分、ルーズベルトとデイジーの恋愛ドラマが薄味になっているの
は事実。実は、ルーズベルトには大きな秘密があって、それを知ったデイジー
との関係が変化するのですが、そのあたりも駆け足で描かれてしまいます。
というわけで、全体的に中途半端な印象は残るものの、人間ルーズベルトを知
るのには良い映画かも。ジョージ6世が開戦演説をする『英国王のスピーチ』に
つながる歴史エピソードとしても、興味深いと思います。
役者ではやはりルーズベルト役のビル・マーレイがいい味を出しています。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆
（86点）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2013年9月17日（火）Bunkamuraル・シネマほかにて。午後1時15分の回
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