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欲望のバージニア（LAWLESS）
（2012年 アメリカ）（上映時間1時間56分）
監督：ジョン・ヒルコート
出演：シャイア・ラブーフ、トム・ハーディ、ゲイリー・オールドマン、ミ
ア・ワシコウスカ、ジェシカ・チャステイン、ジェイソン・クラーク、ガイ・
ピアース、デイン・デハーン、クリス・マクギャリー、リュー・テンプル、ノ
ア・テイラー
＊丸の内TOEI、新宿バルト9ほかにて公開。全国順次公開
ホームページ http://yokubou.gaga.ne.jp/
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＜ストーリー＞
1931年、バージニア州。禁酒法時代にあって、密造酒ビジネスを手がける長男
ハワード（ジェイソン・クラーク）、次男フォレスト（トム・ハーディ）、三
男ジャック（シャイア・ラブーフ）のボンデュラント兄弟。ジャックは牧師の
娘バーサ（ミア・ワシコウスカ）を好きになり、自分も大きな商売をしたいと
野心を燃やす。一方、都会から流れてきた謎の女マギー（ジェシカ・チャステ
イン）は、兄弟が経営する酒場で働き始める。そんな中、新たに着任した取締
官レイクス（ガイ・ピアース）は、密造酒業者に高額な賄賂を要求。これを拒
否した兄弟はレイクスの残忍な仕打ちを受ける……。
＜レビュー＞
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禁酒法時代の密造酒三兄弟ＶＳ悪徳取締官の男臭いドラマ
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アメリカの禁酒法時代を背景にした犯罪ドラマ。しかし、監督のジョン・ヒル
コートや主要なキャストが、オーストラリア人だというのが意外なところ。し
かも、この映画、実話がベースだそうです。
1930年代の禁酒法の時代。バージニア州で密造酒ビジネスを手がける三兄弟が
主人公。まあ違法行為ではあるものの、それなりに真っ当な商売をしていた彼
らですが、そこに残虐な悪徳取締官が着任。高額な賄賂を要求し、それを拒否
されると容赦ない制裁に打って出ます。
主役の三兄弟のキャラがきっちりしているところが、この映画の特徴。長男は
戦争の後遺症でダメダメな毎日。無骨な次男は必死にビジネスに邁進するもの
の、女性に対してはまったく消極的。そして、弱っちい三男は厳格な牧師の娘
に恋したことから、早く手柄を立てたいと焦りまくる。そんな三人が、新任の
取締官と対決していきます。
その取締官を演じるのがガイ・ピアースですからねぇ。そのすさまじい個性が
際立ちます。この手の映画は悪役が魅力的でないとつまりません。その点、こ
の映画は大成功。粘着質で、ブチ切れたら手が付けられない取締官が、大いに
ドラマを盛り上げてくれます。
『ダークナイト・ライジング』では、顔を隠したままだった次男役のトム・
ハーディをはじめ、三兄弟もハマリ役です。
さて、どんどん対立を深める三兄弟ＶＳ取締官。ゲイリー・オールドマン演じ
るギャングのボスなども絡んで、男臭いドラマが続きます。もちろんアクショ
ンも満載。銃撃戦を中心に、血で血を洗う抗争が展開。そんな中、謎の女と次
男、牧師の娘と三男とのロマンスがドラマに花を添えます。
その三男の手柄を焦る気持ちが、思わぬピンチを三兄弟にもたらして、いよい
よクライマックスへ。クライマックスは壮絶なバトル。三兄弟のプライドと復
讐心が炸裂します。これまた男臭いヒリヒリするようなシーンが続きます。
ラストはややご都合主義。でも、不死身の三兄弟だからしょうがないか。と思
ったら、その直後にもうひとひねり。人生のはかなさを感じさせてジ・エンド。
豪華キャストと、雰囲気づくりが巧みな演出のおかげで、なかなか見応えある
映画でした。
ちなみに、この映画の脚本＆音楽は日本でも知られたミュージシャンのニッ
ク・ケイブが担当しています。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（89点）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2013年7月7日（日）新宿バルト9にて。午後1時50分の回
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