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人類資金
（2013年 日本）（上映時間2時間20分）
監督：阪本順治
出演：佐藤浩市、香取慎吾、森山未來、観月ありさ、石橋蓮司、豊川悦司、寺島進、三浦誠己、岸部一徳、オダギリジョー、ユ・ジテ、ヴィンセント・ギャロ、仲代達矢
＊丸の内ピカデリーほかにて全国公開
ホームページ http://www.jinrui-shikin.jp/
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＜ストーリー＞
2014年。敗戦目前に日本軍が隠匿したとされる秘密資産"Ｍ資金"。それをエサに架空の融資話で詐欺を繰り返す詐欺師の真舟雄一（佐藤浩市）。ある日、謎の男Ｍ（香取慎吾）から「10兆円のＭ資金を盗み出してほしい」という依頼を受ける。多額の報酬を約束され、依頼を受ける真舟だったが……。
＜レビュー＞
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豪華キャストで贈るスケールの大きな経済サスペンス
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福井晴敏原作、阪本順治監督とくれば、『亡国のイージス』のコンビ。それだけに観る前の期待も大きかったのですが……。
昔からある都市伝説「Ｍ資金」をネタにした話です。太平洋戦争末期に日本軍が隠したとされる膨大な資金。これを利用した詐欺がいまだに横行しています。
そのＭ資金が本当にあった！というのを前提にしたストーリー。Ｍ資金詐欺を働く詐欺師の真舟という男が、謎の男から「10兆円のＭ資金を盗み出して欲しい」という依頼を受けます。その裏には、アメリカとともに資金を管理する財団の内紛など、あれこれ面倒な話があったりします。
この映画でまず目に付くのが、痛烈な資本主義批判です。行き過ぎたマネーゲーム、貧富の格差など、現状の資本主義を徹底的に批判しています。
もちろんそれはドラマを通して描かれるわけですが、その肝心のドラマがつまりません。前半は詐欺師の真舟による犯罪サスペンスの趣き。続いて金融市場を舞台にしたマネーサスペンス的展開。あちこちにアクションも散りばめられ、親子三代の確執のドラマや男女の愛憎劇などもあったりして、内容がテンコ盛り。
舞台となるのも日本だけでなく、ロシアやアジア、はてはニューヨークの国連本部まで登場。こんなにスケールが大きくて、いろんな要素が詰まっていると、さすがの阪本監督もキビしかったのか、テンポも悪いし、どの要素もツッコミ不足です。
そして、最大のダメなポイントがクライマックス。森山未來演じる元難民の男が、国連本部で大演説をぶつシーン。まあ、ああいうのが理想かもしれませんが、あまりにも偽善的で、感動するどころか逆にシラケてしまいました。あの程度で、国連や世界が動いたら、何の苦労もいらないでしょ。やれやれ。
というわけで、消化不良でほとんどドラマに入り込めず。こういうネタなら、もうちょっとやりようがあったと思うんですけれど。特に脚本がダメですね。
数少ない見どころは、バラエティーたっぷりのキャスト。佐藤浩市、香取慎吾、森山未來、観月ありさ、石橋蓮司、豊川悦司、寺島進、岸部一徳、仲代達矢、オダギリジョー、ユ・ジテ、ヴィンセント・ギャロって、なんじゃこりゃ？？？ こんなキャストは二度と実現不可能かも。そういう意味では貴重な映画かもしれません。
≪ぽちの満足度≫
★★☆☆☆
（70点）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆
（田中ひろあき）
2013年10月25日（金）池袋シネマ・ロサにて。午後1時30分の回
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