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六月燈の三姉妹
（2013年 日本）（上映時間1時間44分）
監督：佐々部清
出演：吹石一恵、吉田羊、徳永えり、津田寛治、市毛良枝、西田聖志郎、井上
順、重田千穂子、山上康弘、ちゃんサネ
＊TOHOシネマズ日本橋、シネマート六本木ほかにて全国公開
ホームページ http://6gatsudo.jp/
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＜ストーリー＞
鹿児島のさびれた商店街の和菓子店"とら屋"。ある日、離婚を決意した次女・
奈美江（吹石一恵）が東京から戻ってくる。それを迎えるのは母の惠子（市毛
良枝）、義父の眞平（西田聖志郎）、長女の静江（吉田羊）、三女の栄（徳永
えり）。惠子はバツ2で離婚した眞平は今も菓子職人として店で働いていた。静
江はバツイチで、栄は結婚直前に婚約破棄した過去がある。そんな中、東京か
ら奈美江を追ってきた夫も加わり、一家は六月燈の夜に発売する新作和菓子の
製作に励むが……。
＜レビュー＞
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ままならない人生を抱えた家族を温かな視点で描く
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『半落ち』『ツレがうつになりまして。』『東京難民』などで知られる佐々部
清監督の映画。もともとは舞台劇だそうです。
ドラマの舞台は鹿児島。さびれた商店街の和菓子屋で、六月燈というお祭りの
前後に起きる出来事を描いています。
そこには三姉妹がいます。次女の奈美江は結婚して東京にいましたが、離婚を
決意して帰郷します。それを追って夫もやってきます。
実は、人生がままならないのは奈美江だけではありません。長女の静江はバツ
イチで、三女の栄は結婚直前に婚約破棄し、今は何と不倫中。そして、父と母
も奇妙な関係。母の惠子はバツ2で、静江と奈美江は最初のダンナとの子。三女
の栄は再婚相手の眞平との子ですが、今は離婚しています。でも、その眞平は
今も店で菓子職人として働いています。何じゃ、このグチャグチャな家庭は。
とはいえ、グチャグチャなドラマではありません。うまくいかない人生を抱え
ながらも、支え合い、時にはぶつかり合う家族の姿を、さびれかけた商店街の
人々の人情の機微を背景に織り込みつつ、温かな視点で描いています。いかに
も佐々部監督らしい、ホンワカする映画ですねぇ〜。
六月燈のステージで三姉妹がキャンディーズの曲を歌ったり、ほほえましい
シーンも満載。鹿児島弁を使った笑いも印象的です。
和菓子屋が舞台ということで、お菓子も効果的に使われています。六月燈の屋
台で販売するカルキャン（かるかん風キャンディー）や、ラストで栄が作るお
菓子など、どれもおいしそうです。
そして、何よりも三姉妹のキャストがバッチリ決まっています。吹石一恵、吉
田羊、徳永えり。どれもキャラが立っています。父母役の市毛良枝、西田聖志
郎もいい味を出しています。
「人生は色々あるけれど、けっして悪いことばかりじゃない。よし、頑張ろ
う」。そんな気持ちにさせてくれます。とりたてて派手なところはありません
が、心にジンワリ来ましたヨ。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（89点）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2014年6月16日（月）シネマート六本木にて。午後2時50分の回（トラブルによ
り3時15分からに変更）
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