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アメリカン・ハッスル（AMERICAN HUSTLE）
（2013年 アメリカ）（上映時間2時間18分）
監督：デヴィッド・Ｏ・ラッセル
出演：クリスチャン・ベイル、ブラッドリー・クーパー、ジェレミー・レナー、
エイミー・アダムス、ジェニファー・ローレンス、ルイス・Ｃ・Ｋ、マイケ
ル・ペーニャ、アレッサンドロ・ニヴォラ
＊TOHOシネマズスカラ座/みゆき座ほかにて全国公開
ホームページ http://american-hustle.jp/
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＜ストーリー＞
1979年。太鼓腹で一九分けのアーヴィン（クリスチャン・ベイル）は、愛人の
シドニー（エイミー・アダムス）とともに天才詐欺師ぶりを発揮するものの、
ある時FBI捜査官のリッチー（ブラッドリー・クーパー）に捕まってしまう。リ
ッチーは司法取引でアーヴィンたちを捜査に協力させ、偽のアラブの大富豪を
エサにして、カジノの利権に絡んだ大物汚職政治家たちにおとり捜査を仕掛け
ていく。一方、アーヴィンの妻ロザリン（ジェニファー・ローレンス）は予測
不能の行動をとり始める……。
＜レビュー＞
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詐欺師とFBI捜査官たちによるダマし合いのドラマ
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『ザ・ファイター』『世界にひとつのプレイブック』のデヴィッド・Ｏ・ラッ
セル監督が、1979年に実際にあった事件を描いたコメディタッチの犯罪ドラマ
です。
中心人物は、男女の詐欺師とFBI捜査官。冒頭は、アーヴィンという詐欺師が必
死でカツラを整える情けないシーン。続いて登場する彼の愛人で相棒の女詐欺
師シドニーとFBI捜査官リッチー。何だかモメている彼ら。それでも彼らは大物
政治家を摘発するために、あるワナを仕掛けます。いったいなぜそんなことに
なったのか？というわけで、この冒頭の語り口から引き込まれてしまいます。
続いて、アーヴィンとシドニーが知り合った経緯、２人が詐欺にのめりこむ様
子、リッチーに捕まり捜査協力を迫られるまでがテンポ良く、かつユーモラス
に描かれます。そして、いよいよ架空の融資話を使ったおとり捜査のスタート
です。
この仕掛けがなかなか見事。単純に詐欺話として面白いのですが、そこに加わ
るのがアーヴィンの奥さんのロザリンも含めた４人の複雑な関係。全員キャラ
が立ちすぎるほど立っていて、クセモノ揃いです。
クリーニング店を経営しながら裏で詐欺を働く太鼓腹で一九分けのアーヴィン、
元ストリッパーでリアルな人生を求めるシドニー、手柄を立てることしか頭に
ないリッチー。自由奔放で何をするかわからないロザリン。そんな４人が詐欺
話が進行する中で、虚実を取り混ぜながら様々な愛憎劇を見せていきます。
つまり、詐欺話も彼らの人生も、いったい何が本当で何がウソなのかわからな
くなってくるのです。その中からチラチラと顔をのぞかせる彼らの本音。これ
がこの映画の最大の魅力です。しかも、それがユーモラスに描かれるので、ド
ラマの進行とともにどんどん引き込まれてしまいました。
ラストのドンデン返しもまた見事。その後の４人の人生には、何やら人生の哀
愁さえ感じてしまいました。
70年代が舞台ということで、当時のヒット曲もたくさん盛り込まれ、雰囲気を
盛り上げます。衣装や髪形、電子レンジなどのアイテムも時代を映す効果的な
小道具として使われています。
そして、役者たちの演技が素晴らしい！大増量してデブになったクリスチャ
ン・ベイル に加え、相棒役のエイミー・アダムス、FBI捜査官役のブラッド
リー・クーパー、主人公の奥さん役のジェニファー・ローレンス、詐欺に引っ
かかる市長役のジェレミー・レナーがどれも突き抜けた演技を見せています。
うーん、爽快感たっぷりの映画ですね。何だか良いお酒を飲んだ時のような感
じで、心地よく酔うことができました。
≪ぽちの満足度≫
★★★★☆
（93点）
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2014年2月2日（日）シネマ・ロサにて。午後3時40分の回
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