8月の家族たち(AUGUST: OSAGE COUNTY)


(2013年 アメリカ)(上映時間2時間1分)
監督:ジョン・ウェルズ
出演:メリル・ストリープ、ジュリア・ロバーツ、ユアン・マクレガー、クリ
ス・クーパー、アビゲイル・ブレスリン、ベネディクト・カンバーバッチ、ジ
ュリエット・ルイス、マーゴ・マーティンデイル、ダーモット・マローニー、
ジュリアンヌ・ニコルソン、サム・シェパード、ミスティ・アッパム
*TOHO シネマズ シャンテほかにて全国公開
ホームページ http://august.asmik-ace.co.jp/
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<ストーリー>
8月の暑い日。父親が失踪したという知らせで、三姉妹がオクラホマの実家に
集まる。長女バーバラ(ジュリア・ロバーツ)は浮気した夫と別居中で、反抗
期の娘にも手を焼いている。自由奔放な三女カレン(ジュリエット・ルイス)
は不審な婚約者を連れてくる。ひとり地元に残る次女アイビー(ジュリアン
ヌ・ニコルソン)は秘密の恋愛中。そんな娘たちを闘病中ながら強気で毒舌家
の母バイオレット(メリル・ストリープ)が迎えるのだが……。

<レビュー>
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役者たちの演技が見ものの家族の大バトル
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良くできた舞台劇のような映画……。そりゃそうですよね。ピューリッツァー
賞&トニー賞W受賞の舞台劇の映画化ですから。原作者のトレイシー・レッツ
が脚本を書いて、デビュー作『カンパニー・メン』で注目されたジョン・ウェ
ルズが監督しています。

冒頭は、ワケありの老夫婦が登場。夫はアル中気味、妻はガンを患っていて薬
物中毒気味。

続いて、その夫が失踪したという知らせで、3人の娘たち、そして彼女たちの
家族や母の妹夫妻などが集まります。

この家族、何やら最初から危ない雰囲気。特に強烈なのが母親のバイオレット
です。もともと強気で毒舌家なのですが、薬を飲んでハイになり、暴走しまく
ります。それを演じるのはメリル・ストリープ。もちろん名優ですが、たまに
やり過ぎ感のある女優さん。しかし、この映画にはそれがピッタリ。こういう
役をリアル&シリアスにやられたら、いたたまれないですからねぇ。

失踪した父はどうなったのか。それは伏せますが、その後に家族が集まって会
食します。ここでも暴走母さんが大暴れ。長女のバーバラが夫と別居中である
ことを暴露します。それをきっかけに、バイオレットVSバーバラの過激なバ
トルが勃発。

バーバラを演じるのはジュリア・ロバーツ。こちらはメリルに比べて抑え目な
演技。その対照が際立ちます。この2人の演技を観るだけでも、この映画を観
る価値あり。しかも、それ以外のキャストもユアン・マクレガー、クリス・
クーパー、アビゲイル・ブレスリン、ベネディクト・カンバーバッチ、ジュリ
エット・ルイス、サム・シェパードなど個性派ぞろい。これは役者の演技を観
る映画ですね。

会食での大バトルというヤマ場を過ぎても、まだまだとんでもないことが起き
ます。次女アイビーに関した信じられない秘密が露見。三女カレンの婚約者も
あんなことになってやれやれ。そして、ついに誰もいなくなった的展開に……。

舞台版は救いのないラストらしいのですが、こちらもハッピーエンドではない
ものの、バーバラのシーンを最後に入れて、家族の未来に含みを持たせて余韻
を残しています。

ここまでスゴイ家族は現実にはなかなかいないでしょうが、根っこのところは
どこの家族にもありそうなこと。だから、ちゃんと心に響いてくるんですね。

さすがに舞台劇が元なので、映画的妙味は少ないし、大量のセリフで字幕を追
うのは大変ですが、それでも観る価値は十分にあります。メリル&ジュリアを
中心に役者たちの演技を心から堪能してください。

≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆(+1/2★)
(90点)

≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆(+1/2★)
                             (田中ひろあき)

2014年4月19日(土)TOHO シネマズ シャンテにて


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