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ディス／コネクト（DISCONNECT）
（2012年 アメリカ）（上映時間1時間55分）
監督：ヘンリー＝アレックス・ルビン
出演：ジェイソン・ベイトマン、ホープ・デイヴィス、フランク・グリロ、ミ
カエル・ニクヴィスト、ポーラ・パットン、アンドレア・ライズブロー、アレ
キサンダー・スカルスガルド、マックス・シエリオット、コリン・フォード、
ジョナ・ボボ、ヘイリー・ラム
＊新宿バルト9ほかにて全国公開
ホームページ http://dis-connect.jp/
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＜ストーリー＞
内気な少年ベンは、SNS上での嫌がらせが原因で自殺未遂を起こし、意識不明に
なる。仮の父親の弁護士リッチ（ジェイソン・ベイトマン）は、自殺の原因を
突き止めるべく調査に乗り出す。一方、ネットで個人情報を盗まれカード詐欺
に遭ったハル夫妻（アレキサンダー・スカルスガルド、ポーラ・パットン）は、
元刑事のマイクに調査を依頼する。さらに、ＴＶ局の女性レポーター、ニーナ
（アンドレア・ライズブロー）は、違法ポルノサイトの取材を始める……。
＜レビュー＞
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SNS上で起きる事件を通して見える人間模様
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ネット、特にSNSで起きる事件をネタにした映画。ヘンリー＝アレックス・ルビ
ン監督は、長編ドキュメンタリー『マーダーボール』でアカデミー賞にノミ
ネートされたことがあるそうです。そのせいか、フィクションとはいえ何とも
リアルな映画です。
3つのエピソードが同時進行する群像劇です。1つめは、SNS上での軽いいたずら
によって大きな精神的ダメージを負い、自殺未遂の挙句に意識不明になってし
まう少年のお話。2つめは妻がSNSで個人情報を盗まれ、カード詐欺によって破
産の危機にある夫婦のお話。3つめは、違法ポルノサイトに出演する少年を追う
テレビの女性レポーターのお話。
3つのエピソードは、それぞれ登場人物が重なったりはするものの、基本的には
かかわりのないまま進んでいきます。
まず感じるのは現代のSNS社会の恐ろしさです。軽い気持ちでやったことが誰か
を死に追いやったり、個人情報が簡単に盗まれたり、とにかく危なすぎます。
しかも、一度何かが起きると、なかなか元には戻すことができません。我々は
こういう社会に生きているんですねぇ〜。観ているうちにゾクゾクしてきます。
とはいえ、この映画はSNS社会の恐ろしさを告発しているだけではありません。
それを通して、登場人物の人間模様が浮かび上がります。親子の断絶、夫婦の
すれ違いから、ジャーナリズムの怖さやイラク戦争の後遺症まで、様々な事情
が登場してきます。それらに共通するのは現代の孤独とコミュニケーションの
不在。そして、人間が本来持つ弱さや悲しみも見えてきます。
そのあたりを詰め込み過ぎにならずに、バランスよく見せていく脚本が秀逸。
全体をサスペンスタッチで緊迫感あふれる映画にしているのも魅力です。演出
も役者の演技もいいですね。
3つのエピソードをうまくクライマックスに持って行く手際も鮮やか。単純なハ
ッピーエンドに持ち込まず、かすかな希望の火だけを灯す余韻のあるラストで
す。
何となくポール・ハギスあたりの映画も思い起こさせる作風。SNSという現代社
会のネタを使って、人間の奥底を描き出しています。地味ながら、一見の価値
のある映画です。
≪ぽちの満足度≫
★★★★☆
（92点）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2014年5月29日（木）新宿バルト9にて。午後1時25分の回
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