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グランド・ブダペスト・ホテル（THE GRAND BUDAPEST HOTEL）
（2013年 イギリス・ドイツ）（上映時間1時間40分）
監督・脚本・製作：ウェス・アンダーソン
出演：レイフ・ファインズ、Ｆ・マーレイ・エイブラハム、エドワード・ノー
トン、マチュー・アマルリック、シアーシャ・ローナン、エイドリアン・ブロ
ディ、ウィレム・デフォー、レア・セドゥ、ジェフ・ゴールドブラム、ジェイ
ソン・シュワルツマン、ジュード・ロウ、ティルダ・スウィントン、ハーヴェ
イ・カイテル、トム・ウィルキンソン、ビル・マーレイ、オーウェン・ウィル
ソン、トニー・レヴォロリ
＊TOHOシネマズシャンテ、新宿シネマカリテほかにて全国公開
ホームページ http://www.foxmovies.jp/gbh/
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＜ストーリー＞
1932年。ヨーロッパ随一の高級ホテル「グランド・ブダペスト・ホテル」には、
伝説のコンシェルジュと呼ばれるグスタヴ・Ｈ（レイフ・ファインズ）がいた。
完璧なおもてなしを信条とし、マダムの夜のお相手までする彼目当ての客がた
くさん訪れていたが、ある日、懇意にしていた常連客マダムＤ（ティルダ・ス
ウィントン）が殺害されてしまう。遺言で名画を贈られることになったグスタ
ヴだが、まもなく殺人の嫌疑がかけられ逮捕される。留置場を脱出したグスタ
ヴは、ベルボーイ見習いのゼロとその婚約者アガサの協力で真犯人探しに乗り
出すのだが……。
＜レビュー＞
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ウェス・アンダーソンらしい軽妙洒脱で楽しい世界
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ウェス・アンダーソン監督といえば、『ムーンライズ・キングダム』『ダージ
リン急行』など軽妙洒脱な映画がお得意。今回もその特色が全開の映画です。
ヨーロッパの古いホテルが舞台。冒頭はある作家の銅像が映ります。その作家
が若き日に、ホテルのオーナーから過去の話を聞くというスタイルで物語が展
開します。1932年、当時、ヨーロッパ一のホテルといわれた「グランド・ブタ
ペスト・ホテル」には、伝説のコンシェルジュのグスタヴ・Ｈがいました。究
極のおもてなしを信条とし、宿泊するマダムの夜の相手までする彼でしたが、
ある時常連客のマダムが死亡。彼には名画が遺産として贈られることになった
ものの、殺人犯の疑いをかけられ逮捕されてしまいます。何とか脱獄したグス
タヴは、ベルボーイ見習いのゼロとその婚約者の協力を得て事件の真相を探り
ます。
というストーリーを聞けば、シリアスなサスペンスのようにも思えますが、そ
こはウェス・アンダーソン監督。軽妙でユーモアたっぷりの映画に仕上げてい
ます。主人公のグスタブをはじめユニークすぎる人物が続々登場し、奇妙な言
動を繰り広げます。テンポも軽快です。
映像のこだわりも半端ではありません。特に舞台になるホテルの独特の情緒が
たまりません。エレベーターの中まで凝りに凝っています。また、時代ごとに
映像サイズや色調を変えるなど、細かなテクがあちこちに。時制を入り組ませ
たことで、ノスタルジックなムードも漂います。
そして豪華キャストも見もの。レイフ・ファインズ、Ｆ・マーレイ・エイブラ
ハム、エドワード・ノートン、マチュー・アマルリック、エイドリアン・ブロ
ディ、ウィレム・デフォー、ジュード・ロウ、ティルダ・スウィントン、ハー
ヴェイ・カイテルなどなど。ほんのちょっとしか出ない人もいますが、それで
もみんな存在感を発揮しているから見事なもの。
まあ、とにかくアンダーソン監督の鮮やかな手腕が光りますね。過去の作品に
は、ちょっと趣味に走り過ぎてついていけないところもありましたが、今回は
それもなし。雪原をそりで滑走するアクションシーンや銃撃戦などもあり、誰
でも無条件に楽しめる映画になっています。
今までアンダーソン監督の映画を観たことがない人でも、一見の価値がありま
すよ。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（90点）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2014年6月7日（土）TOHOシネマズシャンテにて。午後2時10分の回
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