ヘウォンの恋愛日記(NOBODY'S DAUGHTER HAEWON)


(2013年 韓国)(上映時間1時間30分)
監督・脚本:ホン・サンス
出演:チョン・ウンチェ、イ・ソンギュン、キム・ジャオク、ユ・ジュンサン、
イェ・ジウォン、キム・ウィソン、ジェーン・バーキン
*シネマート新宿にて公開
ホームページ http://www.bitters.co.jp/h_s/
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<ストーリー>
日記をつけながら眠りに落ちて、夢を見てしまう女子大生のヘウォン(チョ
ン・ウンチェ)。ある日、離婚してカナダに移住する母と久々に再会し、最後
のひと時を過ごす。母と別れた後に、急に寂しくなったヘウォンは、会わない
ようにしていた不倫相手の大学教授ソンジュン(イ・ソンギュン)を呼び出し
てしまう。2人が夜の街を歩いていると、偶然クラスメイトたちに出くわして
しまうのだが……。

<レビュー>
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不倫相手との関係に悩む女子大生の微妙な心理
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ヨーロッパでも人気の高い韓国のホン・サンス監督の映画。同時公開の『ソニ
はご機嫌ななめ』と同様に、長回しの会話を中心に登場人物の心理を描写。さ
らに突然のズーム画面やそこはかとないユーモアなども、共通したタッチです。

冒頭に登場するのは、なんとあのジェーン・バーキン。ホン・サンス監督の作
品のファンで自ら出演を希望したそうで、主人公のヘウォンと娘のシャルロッ
ト・ゲンスブールの話で盛り上がっちゃいます。

その後しばらくは、ヘウォンが離婚してカナダに移住する母と久々に再会し、
街を歩きます。親子の絆や別れのつらさが自然に伝わってきます。

続いて、母と別れたヘウォンは寂しさから、なるべく会わないようにしていた
大学教授で映画監督のソンジュンを呼び出してしまいます。この男ときたら妻
子持ちで、自分とヘウォンの不倫関係がバレないように必死にセコい工作をし
ます。おまけに、ヘウォンが別の男と付き合っていたと知ると激怒します。

観ていて「何でこんな男と別れないの?」と思ってしまうのですが、恋愛って
理屈じゃないんでしょうねぇ。そんなこんなで、あれこれ迷いまくるヘウォン
の心情がリアルに伝わってきました。

そんな彼女の前に現れるのが、アメリカで大学教授をしている韓国人の男。ヘ
ウォンに告白して、ヘウォンもその気になるのですが、それでもソンジュンを
無視できないから困ったもの。このへんの微妙な恋愛心理が、実にうまく描か
れています。

この映画、ヘウォンが日記をつけながら眠りに落ちてしまうという設定で、た
びたび彼女が居眠りしているシーンが映ります。最初は何の意味があるのかよ
くわからなかったのですが、スクリーンに映される出来事が本当なのか夢の中
の世界なのか、曖昧にする効果を持っているんですね。それが何とも微妙な感
じで、観客の想像力を刺激します。

ホン・サンス監督の映画って、ユニークで味がありますね。最初はそれほどで
もないのですが、観ているうちにクセになってしまいます。今回も、まさにそ
んな映画でした。

≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆(+1/2★)
(88点)

≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆
                             (田中ひろあき)

2014年8月30日(土)シネマート新宿にて。午後5時20分の回


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