春を背負って
(2014年 日本)(上映時間1時間56分)
監督・撮影:木村大作
出演:松山ケンイチ、蒼井優、檀ふみ、小林薫、豊川悦司、新井浩文、吉田栄
作、安藤サクラ、池松壮亮、仲村トオル、市毛良枝、井川比佐志、石橋蓮司
*新宿ピカデリーほかにて全国公開
ホームページ http://www.haruseotte.jp/
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<ストーリー>
東京でトレーダーとして働く長嶺亨(松山ケンイチ)。立山連峰で山小屋"菫小
屋"を営む父・勇夫(小林薫)が突然亡くなる。帰郷した享は、母の菫(檀ふ
み)や山小屋を手伝っていた高澤愛(蒼井優)とともに父の山小屋に行き、小
屋を引き継ぐと宣言する。過酷な山での生活に苦しみながらも、愛や勇夫の友
人だった山男の多田悟郎(豊川悦司)のサポートで、奮闘する亨だったが……。
<レビュー>
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山小屋を継ぐ青年の成長。圧巻の映像で描く山岳映画
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山を舞台にした山岳映画です。
冒頭は20年前のシーン。山小屋を経営する父に連れられて幼い息子の亨が、山
を登ります。そこで山の過酷さを知る亨。
続いて今度は大人になった亨が登場。トレーダーとして働く彼のもとに、父が
遭難者を助けようとして亡くなったという知らせが届きます。帰郷した彼は、
父の後を継ぐことを決意します。そして、山小屋で働いていた愛という女性や、
山男の悟郎のサポートで少しずつ成長していきます。
オープニングタイトルが、何だか昔の日本映画風。クラシック風の音楽も、昔
の映画みたいです。そして、「そんなこと言わんだろう!」というワザとらし
いセリフがたくさんあるのも、この映画の特徴。さらに、ストーリー展開もイ
マイチ物足りません。例えば、亨が父の後を継ぐ決意をするあたりで、何の葛
藤も見られなかったりして。
ただし、この映画は映像がスゴイです。本物の山に役者を連れて行って撮影し
ているだけに、ウソのないリアルな映像です。山の美しさ(雷鳥や草花なども
含めて)、厳しさをはじめ、つくりものでない迫力が堪能できます。
特に終盤、倒れた悟郎を背負った亨が山を下りるシーンは圧巻。まるで自分も
山にいるような感覚になりました。
木村大作監督は、日本を代表する名カメラマンとして活躍し、前作『劔岳 点
の記』で遅咲きの監督デビューを果たした人。それだけに、映像の素晴らしさ
は特筆ものです。
主演の松山ケンイチに加え、蒼井優、檀ふみ、小林薫、豊川悦司などが、存在
感を十分に発揮しています。
まあ、とにかく映像に注目して欲しい映画ですね。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆
(86点)
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆
(田中ひろあき)
2014年6月15日(日)新宿バルト9にて。午後2時55分の回
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