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ジャージー・ボーイズ（JERSEY BOYS）
（2014年 アメリカ）（上映時間2時間14分）
監督：クリント・イーストウッド
出演：ジョン・ロイド・ヤング、エリック・バーゲン、マイケル・ロメンダ、
ヴィンセント・ピアッツァ、クリストファー・ウォーケン、マイク・ドイル、
レネー・マリーノ、エリカ・ピッチニーニ
＊新宿ピカデリーほかにて全国公開
ホームページ http://wwws.warnerbros.co.jp/jerseyboys/
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＜ストーリー＞
ニュージャージーのベルヴィル。1951年、バンドマンのトミー・デヴィートは、
美しいファルセットを響かせる少年フランキー・カステルチオ（ジョン・ロイ
ド・ヤング）を自分のバンドに迎え入れる。フランキーの歌声は地元マフィア
のボス、ジップ・デカルロ（クリストファー・ウォーケン）を魅了し、彼はバ
ンドをサポートする。やがて彼らは、ソングライターのボブ・ゴーディオと出
会い、息の合った完璧なハーモニーを武器に、「フォー・シーズンズ」という
バンド名でスターダムを駆けあがっていくのだが……。
＜レビュー＞
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人気バンドの光と影を写し取ったイーストウッド監督
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クリント・イーストウッド監督といえば、『ミリオンダラー・ベイビー』『グ
ラン・トリノ』など深いテーマ性のある人間ドラマで知られています。ですが、
今回はなんと音楽劇にチャレンジ。元々は、トニー賞受賞のブロードウェイ・
ミュージカルということですが、音楽好きで自作の音楽も担当しているイース
トウッド監督なので、こういう映画を作っても不思議ではないかも。
フォー・シーズンズという往年の人気バンドの物語です。タイトルにあるよう
に、ニュージャージーの貧しい田舎町に生まれた彼らが、スターになるまでを
描くのが前半。マフィアの手下のようなことをしていたトミーという男が、美
声の持ち主であるフランキーという少年をスカウトして、自分のバンドに引き
入れます。
やがてマフィアのボス、デカルロのサポートを受けた彼らは、最初のうちこそ
鳴かず飛ばずだったものの、才能あるソングライターのゴーディオと出会った
ことから、スターになっていきます。
そんな彼らの男同士の友情を、テンポよく描写。登場人物がスクリーン越しに
観客に語りかける構成も、効果的に使われています。さすがに音楽好きのイー
ストウッドだけに、大ヒット曲『シェリー』をはじめとする音楽の使い方にも、
不自然さがありません。
しかし、イーストウッド監督の真骨頂は後半にあります。後半は、トミーの借
金問題をきっかけに、バンドがバラバラになり、フランキーがソロとして活動
する様子が描かれます。
いわば前半の光に対して影が描かれるわけですが、そこでフランキーがトミー
の借金を返すために奮闘するのがミソ。切っても切れない腐れ縁というか、究
極の人生の選択というか。いずれにしても、フランキーの生き方は彼に大いな
る困難をもたらし、家庭を崩壊させ、娘まで失ってしまいます。そんな人生の
苦しみや哀愁がスクリーンを包み込むあたりは、まさにイーストウッド節。さ
らに、それを名曲『君の瞳に恋してる』の誕生秘話につなげるなんて、憎い展
開ですねぇ〜。
ラストの1990年の「ロックの殿堂」での再会ライブも感動的。これまた彼らの
人生の年輪が感じられる情感豊かなシーンです。
主演のジョン・ロイド・ヤングは、ミュージカル版の主役だそうです。そりゃ
あ、歌がうまいのは当然ですね。
80歳を超えて、こういうエンタメ映画に挑戦して、しかも自分らしさを失わな
いイーストウッドの若々しさに感服です。フォー・シーズンズのことを知らな
くても楽しめると思います。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（88点）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（田中ひろあき）
2014年9月28日（日）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後3時15分の回
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