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自由が丘で（HILL OF FREEDOM）
（2014年 韓国）（上映時間1時間7分）
監督・脚本：ホン・サンス
出演：加瀬亮、ムン・ソリ、ソ・ヨンファ、キム・ウィソン、チョン・ウンチ
ェ、ユン・ヨジョン
＊シネマート新宿ほかにて公開。全国順次公開
ホームページ http://www.bitters.co.jp/jiyugaoka/
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＜ストーリー＞
想いを寄せる韓国人女性クォン（ソ・ヨンファ）を追って、日本からソウルへ
とやって来た男、モリ（加瀬亮）。しかし、肝心の彼女は不在で、モリは近く
のゲストハウスに部屋を借りる。クォンを探すが見つからず、彼女への想いを
手紙に綴るモリ。その間、同じゲストハウスに宿泊するサンウォンと飲み明か
したり、カフェ"自由が丘"の女主人ヨンソンと親しくなるモリだったが……。
＜レビュー＞
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ホン・サンス監督らしい恋愛コメディ。加瀬亮が主演
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独特の恋愛映画でヨーロッパでも人気の高いホン・サンス監督の作品。今回は
加瀬亮が主演。そしてタイトルに「自由が丘」とあることから日本が舞台と思
うかもしれませんが、そうではありません。
舞台はソウル。かつてここに住み、ある女性に恋した日本人男性モリが彼女に
会いにやってきます。しかし、彼女は不在。モリは近所のゲストハウスに宿泊
して彼女を探すものの、なかなか見つからず。その間、同じゲストハウスにい
た男と酒を飲んだり、「自由が丘」という喫茶店の女店主と仲良くなったりし
ます。
冒頭に聞こえるピアノの音から、すでにホン・サンス監督の独特の世界が全開
です。突然ズームイン、ズームアウトする映像も過去の作品と同じ。
今回も大事件は起きません。主人公のモリが様々な人たちと酒を飲んだり、街
をさまよったりする程度。せいぜい、モリが喫茶店の女主人と関係を持つのが、
恋愛ドラマ的に大きな出来事と言えるかもしれません。
そんな中で、人物たちはユニークな会話を繰り広げます。どうでもいいような
会話ですが、どことなくユーモラス、そしてちょっぴりドキリとさせられる言
葉もあります。
徹頭徹尾、緩すぎるぐらいに緩い雰囲気が漂います。お目当ての彼女に宛てた
モリの切ない手紙が随時挿入されますが、深刻さは全くナシ。
それでも、そこにちょっとした仕掛があります。出来事を時系列で描かずに、
ばらばらにシャッフルして配置しているのです。さらに、主人公をよく眠らせ
るのもホン・サンス監督の特徴ですが、今回も終盤でモリを眠らせて、いった
いどこまでが真実で、どこからが夢なのか、観客を戸惑わせます。
ちなみに、モリは韓国語がわからないという設定で、セリフは英語が中心です。
何から何までホン・サンス監督にしか作れない世界。あまりにもユニークなの
で、誰にでもオススメとはいきませんが、過去の作品が好きな人は絶対に気に
入るはずです。時間も約1時間と短い映画なので、未体験の方も一度観てみては
いかが？
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（87点）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2014年12月15日（月） シネマート新宿にて。午後12時50分の回
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