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百瀬、こっちを向いて。
（2013年 日本）（上映時間1時間49分）
監督：耶雲哉治
出演：早見あかり、竹内太郎、石橋杏奈、工藤阿須加、ひろみ（第2PK）、西田
尚美、中村優子、きたろう、向井理
＊新宿ピカデリーほかにて全国公開
ホームページ http://momose-movie.com/
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＜ストーリー＞
母校から講演を依頼され、高校卒業以来、15年ぶりに故郷を訪れた30歳の作
家・相原ノボル（向井理）は、高校時代を回想する。冴えない高校だったノボ
ル（竹内太郎）は、幼なじみの先輩・宮崎瞬（工藤阿須加）から、百瀬陽（早
見あかり）と付き合っているフリをしてくれと依頼される。宮崎には神林徹子
（石橋杏奈）という彼女がいたが、百瀬と付き合っているという噂が流れて困
っていたのだ。こうしてノボルと百瀬はウソの恋愛関係を始めるのだが……。
＜レビュー＞
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ウソの恋愛関係を続ける高校生の切なさをノスタルジックに
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人気作家の乙一が、別名義の中田永一として発表した小説の映画化だそうです。
監督は、これまではＣＭを手がけ、本作が長編映画デビューとなる耶雲哉治。
ドラマは、30歳の新進作家の相原ノボルが、母校の高校で講演をするために15
年ぶりに故郷にやってくるところから始まります。そこで高校時代にマドンナ
的存在だった神林徹子と再会し、彼女の子供とともに喫茶店で話をします。そ
こからノボルの回想が始まります。
高校時代のノボルは冴えない生徒。しかし、ある時、幼なじみで先輩の宮崎か
ら、ある依頼を受けたことから運命が変わります。宮崎は神林徹子と付き合っ
ているのですが、百瀬陽という女の子と一緒にいるところを目撃され、噂にな
って困っていました。それを打ち消すために、ノボルに百瀬と付き合っている
ふりをして欲しいというのです。宮崎が好きな百瀬は、宮崎の気持ちを繋ぎ止
めたい一心からこの計画を進めます。ノボルも戸惑いつつ、それに従います。
というわけで、複雑な思いを抱えつつ、屈折した関係を続けるノボルと百瀬が
描かれます。百瀬は宮崎が好きなのに、どうしようもない思いを抱えつつ、学
校の中だけでノボルと仲の良い演技をします。一方、ノボルは、そんな百瀬に
違和感を持ちつつ、だんだん彼女のことが好きになっていきます。
この手の青春映画の肝は、いかに登場人物をみずみずしく描くか。その点、こ
の映画はよくできています。繊細で不安定な高校生たちのきらめきと迷いが、
リアルに描かれています。
ただし、途中まではややツッコミ不足の感も。特にノボルが感情をあまり出さ
ないキャラなので、彼の戸惑いや苦しみがうまく伝わってこないんですよね。
しかし、ドラマが進むにつれて、どんどん引き込まれてしまいました。名作小
説などをうまく使って、自分の思いが届かない百瀬の切ない気持ちを表現。そ
んな彼女に惹かれるノボルのようすも、年頃の男の子らしいちょっとエッチな
心理などを加えつつ描いていきます。
そこにあるのは、片思いだったり、気持ちのすれ違いだったり、誰もが経験す
ること。だからこそ、共感できるんですよねぇ〜。
ダブルデートの一件を経て、２人に変化の時が訪れ、そして余韻を残すエンデ
ィングへ。うーん、やっぱり切ないなぁ。おまけにノスタルジックな雰囲気に
あふれています。リアルタイムの高校生よりも、大人のほうが感動できるかも。
それにしても、百瀬役の早見あかりの魅力的なこと。何でも、ももクロの元メ
ンバーなんですってね。橋本愛のような、いわゆる美少女とはちょっと違うの
ですが、何とも言えない存在感を持っています。もしかしたら、これからどん
どん売れるのでは？
百瀬とだったらウソでもいいから恋愛したいです（爆）。
≪ぽちの満足度≫
★★★★☆
（91点）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2014年5月18日（日）新宿ピカデリーにて。午後2時10分の回
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