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MUD -マッド-（MUD）
（2012年 アメリカ）（上映時間2時間10分）
監督・脚本：ジェフ・ニコルズ
出演：マシュー・マコノヒー、タイ・シェリダン、サム・シェパード、マイケル・シャノン、ジョー・ドン・ベイカー、レイ・マッキノン、サラ・ポールソン、ポール・スパークス、ジェイコブ・ロフランド、リース・ウィザースプーン
＊ヒューマントラスト渋谷ほかにて公開
ホームページ http://mudmovie.net/
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＜ストーリー＞
アメリカ南部のアーカンソーに暮らす14歳の少年エリス（タイ・シェリダン）は、ある日、親友のネックボーン（ジェイコブ・ロフランド）と川に浮かぶ島へ探検に出かける。そこで２人は、洪水で木の上に打ち上げられたボートに寝泊まりする謎の男マッド（マシュー・マコノヒー）と出会う。マッドはジュニパー（リース・ウィザースプーン）という女性のために殺人を犯し追われていた。ジュニパーと一緒に逃亡したいというマッド。エリスは、その願いをかなえるために協力するのだが……。
＜レビュー＞
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謎の男と出会った少年の成長
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『テイク・シェルター』（2011）で注目を集めたジェフ・ニコルズ監督の映画。少年たちの危険な冒険を通して、彼らの成長を描きます。ちょっと『スタンド・バイ・ミー』的な雰囲気を持つ作品です。
南部の川のそばで、両親とともにボートハウスで暮らすエリスという少年が主人公。友人のネックボーンとともに、川の中に浮かぶ島に探検に行きます。そこには、洪水のせいで木の枝に引っかかったボートがあります。それを自分たちのものにしようと思ったエリスたちですが、そこにはマッドという謎の男が住んでいました。
というわけで、２人の少年と謎の男の交流を描くのが前半。いかにもあの年頃らしい２人の少年もいいのですが、なんといってもマッドを演じるマシュー・マコノヒーの演技が印象的。根は良い人そうですが、なんだか怪しくて、危険な香りを漂わせます。そのへんの見せ方のバランスが巧みです。さすがに、最近ノッている役者さんは違います。
その後、マッドが殺人犯人であることが明らかになります。しかも、それには彼が愛するある女性が絡んでいることが判明。彼女とともに逃亡したいと思うマッドに、エリスは協力しようとします。
実は、エリスの両親は離婚の危機にあります。それとは正反対に、マッドは一途な愛を貫こうとしているように見えたことから、エリスはどんどんマッドに肩入れしていくのです。さらに、エリス自身も年上の女性に恋しています。このへんの設定と筋運びが、とてもよく考えられています。
とはいえ、世の中そんなに甘くないわけで、その後は大変な運命がエリスに降りかかります。
クライマックスからラストにかけては、やり過ぎ感もあります。エリスがヘビに襲われるエピソードはともかく、銃撃戦はさすがにちょっとね。ラストのマッドの後日談もどうなんでしょう。
でも、まあ、それを除けばなかなかよくできた映画だと思います。思わぬ経験を経て、大人の世界に触れた少年の成長譚として見応えがあります。南部の土地柄もこの映画にピッタリ。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆
（86点）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2014年1月20日（月）ヒューマントラストシネマ渋谷にて。午後12時10分の回
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